達人に聞く 釣り編 其の三 戸田美保子さんの巻
食べるところまでが釣り!
誰の言葉でしょう……。
すみません、俺の持論です。この考えが絶対だとは思っていませんが、「食べるのも楽しみ」というアングラーは少なくないでしょう。そこで今回のテーマは「釣った魚を美味しくいただくコツ。兵庫県明石市で魚料理教室『Fresh Kitchen(フレッシュキッチン)』を主宰している戸田美保子さんが語る、そのポイントとは……。
取材・文/管理人
写真/本記事の写真はすべて『Fresh Kitchen』様のHPより。無断転載は禁止とさせていただきます。ちなみにサムネイル画像は黒メバルの煮つけです。出典元はこちら。
調理は魚の身の特徴に合ったものを
「ウナギは蒲焼」、「サンマは塩焼き」など魚の種類によって、美味しく食べるための調理法(味つけ)の一般的なイメージがあります(もちろん、それがすべてではありませんが……)。たとえばウナギやアナゴなどの細長い魚は蒲焼、キンメダイなどの深海魚は煮付けというように何かの法則性はあるのでしょうか?
「法則性といえるかどうかはわかりませんが、一般的な調理法のイメージは、その魚の身の特徴をいかすものであり、適したものが採用されているのでしょうね。例えば『なぜウナギが蒲焼なのか』を考えると、わかります。ウナギの身の特徴は脂分が非常に多いこと。なので、焼いて脂分をほどよく落とすというわけです」
あ、意外とあっさり納得です(笑)。
「ブリもわかりやすいですよ。私は関西に住んでいますが、こちらでは、ブリはツバス→ハマチ→メジロ→ブリと成長によって名前が変わります。ツバスは脂がのっていないので、煮付けてもパサパサします。そういう場合は、逆にカルパッチョにするなどして脂分を足してあげるとよいのですよね。それで、成長によって、どんどん脂分がのってくるので、ブリになったら、煮付けてブリ大根にするなどの調理法が合うようになります」
ちなみに「脂がのっているかどうか」の見分け方については、管理人調べによると、基本的に旬と呼ばれる時期には脂が乗るとのこと。個々の見極め方については、ブリの場合、牛肉のサシのように細かく白いラインが入っているかどうかでわかるらしいです(入っていたら脂が乗っている)。それはそうと、他には魚種別の調理方法のポイントはありますか。
「薬味などを工夫することでしょうか。マアジ、サバなど青背の魚は独特な匂いがすることもあるので、それが気になる場合は生姜が有効です」
臭みをとる下処理が大切
ここで核心ですが、ずばり魚を美味しく調理するためのポイントは?
「一般的な家庭料理であれば、『まずはよい魚を手に入れること』です。美味しく仕上げるには、よい食材からなのですよね。ちなみに美味しい魚料理を出してくるお店では、『活け越し』や『神経抜き』などをされているものを使います」
活け越し……ですか?
「聞き慣れない言葉ですよね。プロの世界では、魚の処理は『活け越し(いけこし)→活〆(いけしめ/または脳〆)→血抜き→神経抜き』という手順で行われます。活け越しとは、獲れた魚を生け簀で泳がせることです。目的は魚をいったん落ち着かせてストレスを取り、老廃物を外に出すことによって、暴れてダメージを受けた身を復活させ、美味しさを最大限に引き出すことができます。そして、次の『活〆』は、手カギという道具で一発で脳を突き、魚の動きを止める作業です。これをしないと暴れて身に血がまわります」
なるほど。血抜きと神経抜きは?
「『血抜き』は、エラから中骨を断ち切り、海水に浸けて血を流して抜き取る作業です。身に血が回るのを防ぎ、臭みや雑菌を取り除きます。『神経抜き』は、魚に針金を刺して中骨の近くにある神経の管に通し、神経を抜く作業です。これによって新鮮さを長持ちさせることができます」
勉強になります。「釣った魚だから新鮮で美味しい」と無条件に考えるのではなく、釣り人も同じように工夫すると、より美味しく魚を食べられることになりますね。活け越しは難しそうですが、活〆からはがんばって意識すればできるかもしれません。
「コツは必要ですけれど、できないことはないと思います。こだわりのある料理屋さんは、すべての作業を行った魚を扱うことが多いのが実情です」
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