今回は「ふとした疑問に全力回答」シリーズです。
先日、ゴルフのタイガー・ウッズ選手の車での事故が報道されました。
とても大きなケガで足を骨折したとのことで……。
骨折、結構な数のライダーが経験したことがあるのではないでしょうか。
そんな折について、あらためてライダー目線でまとめてみます。
ウッズ選手の事故の状況
まずはウッズ選手の事故の状況から。概要は次の通りです。
・日にち&場所/2021年2月23日、ロサンゼルスの南西部にある高級住宅街パロスベルデス地区を南北に走る道路「ホーソーン・ブルーバード」にて
・事故内容/タイガー・ウッズ選手が運転中に単独事故(乗っていたのはヒュンダイ・ジェネシスGV80)。現場は緩い下り坂のカーブで、中央分離帯を乗り越え(一部の報道ではちょうど中央分離帯の区切りのない部分を通過したという説も)、対向車線(2車線)を横切ってカーブ部分にある樹木に激突。数回の横転を経て、道路から数百フィート離れた場所でやっと停止した。自動車はフロント部が前方からグシャリと押し潰された状態で、ウッズは選手はフロントガラスを取り外して車内から救出された。ウッズ選手は命に別状はないが、とくに脚部のケガが激しく、粉砕骨折の重傷で右すねや足首の手術を受けたと報道されている。
・原因/明らかになっていない(2021年2月26日現在)。ただし、保安局は薬物やアルコールによる影響はなかったとの見解を示している。今後、ウッズ選手自身の話や携帯電話の通話記録(運転中に通話していたか)、ドライブレコーダーの解析などによって明らかにされることが予想されている。
※参考サイト/
・ナンバーWEB「【衝撃の交通事故】タイガー・ウッズに何が起きた? 「ひどく慌てていた」証言、大破したヒュンダイ製の車…」
・GDOニュース「事故当時はジェネシスGV80を運転 ウッズに何が起きたのか」
・ヤフーニュース「タイガー・ウッズ、自動車大事故で選手生命の危機…右足粉砕骨折の重傷」
・オートカージャパン「タイガー・ウッズの交通事故とは?」
・日刊スポーツ「ウッズ、事故発生時の記憶失う 保安官が明かす」
俺はゴルフはやらないし、それほどゴルフに関心があるわけではありません。ただ、深夜にメジャー大会が放送されていると思わず見てしまいます。
基本的には日本の選手が出場していたら「日本人がんばれ!」ですが、その次はウッズ選手を応援します。だって、数少ない顔と名前が一致するプロゴルファーなのですもの……。
どれくらいまでケガが回復するかはわかりませんが、また復活して活躍してほしいものです。
骨折とは(複雑骨折などの種類も含めて)
そして骨折についてです。
骨折とは読んで字のごとく「骨が折れている状態」です。
ただ、「折れる」といっても細い木の枝がパッキリと折れるような感じではなく、難しい言葉でいうなら「骨の連続性が断たれたもの」になります。骨の位置などが変わらない状態を「ヒビ」といって区別することもありますが、 医療機関では「ヒビ」もすべて骨折(亀裂骨折、不全骨折等)として扱われます。
※参考サイト/高校野球ドットコム
・第121回 骨折の特徴とヒビ・骨挫傷との違い
ここで今回のウッズ選手のケガの状況に対する報道を見てみると、粉砕骨折という情報があれば、複雑骨折、開放骨折などの言葉を使っているものもあります。
それぞれ、どういうものかというとですね……。
・複雑骨折(開放骨折と同義)=医学用語では皮膚を突き破って骨が飛び出した骨折のこと
・粉砕骨折=骨が粉々に砕ける骨折
※参考サイト/田部整形外科
・整形外科で診断される骨折の種類はひとつじゃない
なので、「複雑骨折」というと「骨が粉々になるような複雑な骨折」というイメージがあるかもしれませんが、それは粉砕骨折ということです(ただ、日常的にはその状態を複雑骨折と表現することもあるようです)。これ、意外と知らない方が多いのではないでしょうか。
あとは、よく耳にする疲労骨折とは「骨の同一部位に継続的な力が加わることで折れた状態」ということで、事故のように大きなきっかけがない骨折になります。
骨折するとどうなる? どうする?
骨折するとどうなるかというと、基本的には「痛い」です。
俺はほとんど事故したことはないのですが、一度だけ、バイク事故で骨折したことがあります。
若いとき、考えごとをしていて、緩いカーブを曲がりきれなかったのですよね。そこは歩道と車道の仕切りが高くなっていて、そこにぶつかって転倒しました。完全に自爆で、スピードはそれほど出ていなかったと思います(40kmくらいだったかと)。
それくらいのスピードでも軽く投げ出されて、その高くなった仕切りに身体からドカッと落ちました。
でも、とくに擦りキズもなく、バイクを起こして普通に帰ったのですよね。
身体はちょっと痛かったけれど、「まぁ、打ち身だろう」と思っていたのですが、翌日になっても完全には痛みはひかず、息を吸うと脇腹のあたりが痛い。
まぁ激痛というわけではなかったので、放っておこうと思っていたのですが、当時、付き合っていた彼女が強烈に「病院に行きなよ」と説教(?)するので、一応、病院にいきました。
すると、あばら骨(肋骨/ろっこつ)の骨折でした。骨折といってもかる~くヒビが入っているくらいで、治療として何かをするわけではなく、「安静を保ってください」だけでした。
あとは、身のまわりの実体験でいうと、知り合いの女の子が雨の日に駐車場から出てきた車にぶつかって、手を骨折しました。それは大事故で、それこそ腕の骨が露出する複雑骨折……。残念なことに後遺症が残って、ケガをした左手は今でも十分な力が入らないそうです。それで、その子はバイクを下りました……。
…………。
とりあえず、ここでいえることとしては、事故をしたら、自分では大丈夫と思っても医療機関を受診したほうがよいということ。俺の場合は病院で何かをしてもらったわけではないのですが、こうやって人に話すときに「あばらを骨折した」といえますし、何より、交通事故はあとから症状が出ることもありますからね。
あとは、ヘルメットはもちろんのこと、グローブ、そしてできれば胸部のプロテクターも着用したほうがよい。
グローブについては、この記事を読むようなライダーは基本的には着用しているでしょうが、街なかでは素手でバイクに乗っている方も結構見かけるのですよね(とくに原付)。どんなバイクでも転んだらケガをするのは一緒なので、グローブは着用したほうがよいっすよ。真夏でもね!
一応、リーズナブルなバイク用グローブとプロテクターを紹介しておきます。
骨折を防ぐには?
では、骨折を防ぐにはどうしらよいかというと、ライダー目線なら、とにかく安全運転を心がけること! これに尽きますな(当たり前のことで、すみません)。
あとは、先に紹介した安全性の高いヘルメット、グローブ、プロテクターの着用ですかね。
ちなみに、ここから先は余談ですが、俺は本職は出版の編集者でして、なかでも得意ジャンルの一つは健康や筋トレです。これまでいろいろと取材して学んできたので、骨折に関係するものを紹介しておきます。
まず、骨を強くするには適度の刺激が必要だそうです。なので、プルプルと身体の一部を揺らして刺激を与える健康器具は、たとえ効果があったとしても、骨を強くするということには役立ちません。水泳やプールでの歩行にも同じようなことがいえます。筋肉や心肺機能を高める効果は期待されても、骨は強くならないと。
その点についてはランニングやジョギング、あるいはウォーキングに分があります。
以前はダイエットのための有酸素運動は1回につき30分以上が必要というのが通説でしたが、最近は10分でも一定の効果があるという研究報告もあるようなので、「ダイエットのために運動しようかな」「身体がなまっているから少し動こうかな」というなら、シンプルにランニングやジョギング、あるいはウォーキングでもよいと。それらは認知症の予防に役立つという研究報告もありますし。
いや、もちろん、個々の事情によりますよ。無理なく取り組めることが重要ですから。
あと、食事も大事です。
広く知られているのは「骨にはカルシウム」ですが、カルシウムは不足しがちです。
カルシウムを豊富に含む食品と聞くと、煮干しなどの小魚や牛乳などを思い浮かべる方も多いでしょうが、納豆や豆腐などの大豆製品もカルシウムを豊富に含む食品です。
いやぁ、納豆は健康食品として強いなぁ。
栄養素でいうと、ビタミンDも重要です。ビタミンDはカルシウムのバランスを整えるのを手伝ったり、骨の健康を保つのに役立ちます。ビタミンDはサケやマグロ、サバなどの脂肪性の魚やきのこ類に豊富に含まれています。あとは日光に当たることで体内でも合成されるので、適度な日光浴もよいとされています。
※参考サイト/森永
・カルシウムの摂取目安量とカルシウムを多く含む食品を紹介
俺はこういう健康に関する情報を取材したり、調べたりすると、しばしば「結局は人間らしい普通の生活がよいんだよなぁ」と思います。
元気に歩く、好き嫌いなく食事する、お日様の下で活動する……。
そういう昔ながらの「当たり前」が健康によく、それが骨を強くすることにもつながると。
今回は以上です。
でわでわ~。
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