ちょっと釣りの記事が続いたので、今回はバイクがテーマです。
さて、何にしませう……。
「世の中で関心が高いテーマは何かしら?」と某大型掲示板(まぁ5chです)をチェックしたところ、トップにきているのが、「低価格ヘルメットスレ(~25000円)」でした(2021年4月29日現在の書き込みをまとめたものはこちら)。
そこでよく出ているのが『ZENITH(以下ゼニス)』です。
『ゼニス』はヤマハの純正オプションパーツや、純正ライディングギアを取り扱うワイズギアのオリジナルヘルメットです。比較的、リーズナブルなのですよね。
本サイトでは「【ヘルメット】SHOEI(ショウエイ)とArai(アライ)を徹底比較してみます」の記事が好評なので(リンクはこちら)、ここでは同じくリーズナブルというイメージがある国内メーカー『OGK KABUTO(以下カブト)』と徹底比較します。
企業規模は互角~会社概要~
先にも紹介したように『ゼニス』を販売しているワイズギアはヤマハ発動機株式会社の純正アクセサリー専門の子会社(モーターサイクル、マリンレジャー用品の販売)で、本社は静岡県袋井市久能にあるそうな。資本金は9,000万円で、従業員数80名、年間の売上高は85億円(2014年度)となっています。
※参考サイト/Wikipedia ・ワイズギア
一方、『カブト』は株式会社オージーケーカブトの製品で、株式会社オージーケーカブトの本社は大阪府東大阪市にあるそうな。資本金は2,000万円で、従業員数は90名。
※参考サイト/株式会社オージーケーカブトの公式サイト
株式会社オージーケーカブトの売上高はわかりませんが、従業員数から判断すると企業規模は同じくらいと考えてよいのではないですかね。
財布に優しい『ゼニス』、軽さの『カブト』~メットの特徴~
まず、ヘルメットを考えるうえで欠かせない安全性を示す規格の説明から。
ヘルメットの安全性を示す規格にはPSC(ピーエスシー)、SG(エスジー)、JIS(ジス)、SNELL(スネル)などがあり、それぞれが定めた基準を満たしたヘルメットにはシール等で示されています。
ここでちょっと雑学的な話になりますが、別にこの規格を満たしていないヘルメットをかぶって公道を走っても、交通違反にはなりません。
道路交通法ではヘルメットの基準として7項目が定められています。
①左右、上下の視野が十分とれること。
②風圧によりひさしが垂れて視野を妨げることのない構造であること。
③著しく聴力を損ねない構造であること。
④衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること。
⑤衝撃により容易に脱げないように固定できるあごひもを有すること。
⑥重量が二キログラム以下であること。
⑦体を傷つけるおそれがある構造でないこと。
安全基準にはまったく触れていない……。
ということで、上の項目を満たしていれば、防災用のヘルメットでもよいということです。
※参考サイト/Helmet Hacker
・道路交通法とヘルメットの関係の話【7項目、法律、装飾品】
んで、今回のテーマの『ゼニス』と『カブト』に話を戻すと、一般的には価格が高いほうが、より安全性が高い傾向があります。
例えば大手メーカー『アライ』は、多くの製品がより基準が厳しいSNELLに適合しています。
なので、あくまでも一般論としては、リーズナブルな『ゼニス』と『カブト』は安全性については、『アライ』あるいは『ショーエイ』よりは少し劣るということになります。
ただ、ここでユーザーとして考慮の余地があるのが、「ヘルメットの安全性って、そこまで重要なの?」という問題です。
ここでいうヘルメットの安全性とは、事故したときに頭を守ってくれる性能の高さです。
正直な話、俺は長いことバイクに乗っていますが、これまで「ヘルメットをかぶっていてよかったぁ」というような事故を起こしたことは一度もありません。
バイクはもらい事故も多いですが、事故したときのことを考えるならば、安全運転を意識したほうがよいという考え方もあるでしょう。
ここらへんは保険に近い考え方ですかね。
それにヘルメットは消耗品で、一般的に寿命は3年とされています(実際、多くのメーカーがそのように推奨しています)。
ということで、「ヘルメットは最低限の安全性は確保したうえで、リーズナブルなものを選びたい」と考える人が多いのも十分に納得できるもので、それに応えてくれるのが『ゼニス』であり、『カブト』であるということになります。
あとはヘルメットと規格を考える際に知っておきたいのは、2021年4月現在、『カブト』は一部の製品でJISの基準を満たしていないようです。
これは「生産拠点の問題によるもので製品自体の安全性に問題はない」とのことですが、まぁ、基本的な規格であるJISに適合していないことが気になる方はいらっしゃるでしょうね。
※参考サイト/オージーケーカブトの公式サイト
・弊社東大阪衣摺工場 JIS認証取消理由の経緯と詳細について
そして、『ゼニス』と『カブト』の特徴に話を移すと、ここまでも触れてきたように、共通している特徴はリーズナブルなことです。
具体的にみてフルフェイスを例にすると『ショーエイ』はもっとも安い『EX-ZERO』でもメーカー希望小売価格は44,000円(税込)です。
それに対して、『ゼニス』は『YF-1C Roll Bahn』が15,400円(税込)、『カブト』は『KAMUI-3』が31,900円(税込)です。
なもんで、『ゼニス』と『カブト』の比較でいうと、リーズナブル度合いでは『ゼニス』の勝ちということになります。
あと、これはあくまでも俺の印象ですが、「システムヘルメット=『ゼニス』」というイメージがあります。
システムヘルメットとはアゴの部分がパッカーンと上に上げることができ、フルフェイスとジェットのよいとこどりのようなタイプです。そのシステムヘルメットについて、最初に売れるモデルをつくったのが『ゼニス』じゃないなかぁ(調べたけれど正確なところはわかりませんでした。繰り返しになりますが、あくまでも俺の個人の印象です)。
一方、『カブト』の価格以外の特徴には軽さがあるかと。これはライダー大好き『にりん館』で、実際に手にしてみるとわかるのですが、『カブト』の製品は『ショーエイ』や『アライ』よりも軽い傾向があります。
あとは『カブト』は兜ですからイメージとしてかっこよいですし、ロゴも素敵ですよね。
ここまで触れてきた「安全性」「価格」「重さ(軽さ)」以外のヘルメット選びの要素としては「風切り音」「耐久性」「着け心地(内装)」「パッドの脱着の可否」などがあると思うのですが、それについてはまぁ値段なりという面もあるとは思いますが、決して悪くはないかと。
俺は『カブト』の前のモデルを使っていたのですが、「風切り音」については慣れますし、「耐久性」もメーカー推奨の3年を遵守するなら問題のない範囲。「着け心地」はぶっちゃけそれほど大差は感じませんでした。それに「パッドの脱着の可否」についてはこのレベル以上なら大抵が可能です。
繰り返しの部分もありますが、「絶対、これがいい」というお気に入りのモデルがない状態でヘルメットを探している場合に、コストを最重視するなら『ゼニス』、ちょっと重視するなら『カブト』という感じではないでしょうか。
少なくてもホームセンターで売られているノンメーカーのようなことはなく、安物買いの銭失いにはならないかと。
個人的なイチオシは『YJ-21』~おすすめヘルメット~
では、それぞれ、どのようなモデルがあるのかも見てみましょう。
『ゼニス』からいきます。
YJ-21
システム特有のシールドベース周りの凹凸を無くすことにより、フルフェイスルックなフォルムへ進化しただけでなく、エアロダイナミクスを向上。大型ベンチレーションや、サンバイザーなどの充実な装備を身に着け、より快適なツーリングに出かけましょう(公式サイトより)。
【ユーザーの声(主なアマゾンレビュー)】
・このヘルメットの良さは、従来あるシステムヘルメットを研究して欠点をかなり改善している所です。従来品からの軽量化、ヘルメットの段差を減らして風切り音を減らしたり、エアベントを大型化して空調を改善してあったり、インナーバイザーの大型化して視界に違和感を無くすなど、かゆいところに手が届く便利な商品です。使用感は、個人差ありますが、とても良く出来ていてメインのヘルメットとして使おうと思っています。
・システムタイプなのに見た目がスッキリしている。また重く感じることもない。風切り音にも不満は感じない。ヤマハの製品であることの信頼性にも期待している。フルフェイスの安全性とジェットの利便性を兼ね備えている利便性が勝っているので問題にするほどではないが、敢えて課題を挙げるとすれば「振動で少しキコキコ音がする。恐らくちょうつがいの箇所だと思う」「インカム用の穴経が40mmなのでインカムが入らなかった。→小型のインカムを買い直した」「頭部はピッタリなのに頬の部分がきつかった(細い顔なのに)→薄いパッドを購入した」
・昔のOGKのシステムヘルメットを使っていたので、それに比べると格段に軽さ・通気性・暖かさ・風切り音と全てにおいて向上してます。ただチンスカートのお蔭で冬場は、暖かいのですがスクリーンが曇り安くなってますなので星4つ!
よくフルフェイスと比較されメリット・デメリットも有りますが私は必要性にてシステムヘルメット。システムヘルメットはフルフェイスとは別物と考えて使用しています。
【管理人の寸評】
『ゼニス』といえばシステムヘルメットということでこちらです。価格もちょうどよいし、俺が次に買い換えるなら、これにすると思います。
YF-9
普遍的なかぶり心地と使い込むほどに良さを感じるヘルメット。長く使うことを顧慮したこだわりの内装(公式サイトより)。
【ユーザーの声(主なアマゾンレビュー)】
・良かった点として、価格が安いのにつくりがしっかりしていて、YAMAHAだから安心! 悪い点としてはチークパッドが厚いことと、インカムをつける時、スピーカーを付けるためのスペースがない。顎紐が短い。サンバイザーがついているが使いにくい。
・レビューを見てて「小さいのでワンサイズかツーサイズあげた方がいいと思う」の書き込みが多かったので本来MサイズですがXLを購入しました。かぶってみてピッタリでした。レビュー見といて良かったー。
・チークパットデカすぎ。歯の噛み合わせが悪くなると思った。今からこれを買おうとしている人には注意していただきたい。
【管理人の寸評】
アマゾンレビューから判断するに、サイズには要注意で大きめのサイズを選んだほうがよいようです。他にも辛口のレビューが多めっすな。ん~、こちらは俺にはよくわからんヘルメットかもしれません。リーズナブルなのはうれしいっすけどね。
YJ-17
7カラー/6サイズのバリエーションでベストマッチな選択が可能。抜群の解放感にサインバイザーの機能が加わり、通勤からツーリングまで幅広いシーンで活躍します(公式サイトより)。
【ユーザーの声(主なアマゾンレビュー)】
・ずっとSHOEIのジェットヘル愛用していましたが価格が高くなりその後OGKカブトに乗換え、今回初めてZENITHを購入。サイズは今までのジェットヘルはLでしたが一度店頭でZENITHを試着したらXLが丁度でした。他のレビューにあるように他社よりワンランク小さいみたいです。しかし装着したら頭部保護感は高いと感じました。また今まで被ったヘルメットの中でもベンチレーションは非常に良いです。風が頭の上を通り抜けるのが分かります。また他の方のレビューにも有りましたが運転時に高さを感じるのはシールドの影響なのでしょうか?他のヘルメットには無かった違和感でした。しかし慣れてきました。あとヘルメット後部にある蓋の無いダクトの雨漏れが心配です。これは雨が入らないような設計なのでしょうか? 大雨の日に試してみるつもりです。価格の割には満足できるヘルメットでした。
・多数の方がサイズがきついとレビューを挙げられていたので、頭囲62cmでXXL(頭囲63cm~64cm)を購入し問題なくかぶれて安心しました。眼鏡をかけたままでは被れませんでしたが脱ぐことはできました。コツがあるのでしょうが私には無理でした。
・アライとショーエイばかり被ってきましたが、チョイ乗り用に安価なものとして購入してみました。価格の差は内装などの細かなところに現れていますが、このヘルメットならツーリングに使っても安心できると思います。アゴヒモが大きめのワンタッチ式のため、詰襟のジャンパーやジャケットなどと干渉してしまい強烈な違和感があります。バイク歴40年のにわかライダーですが、アライやショーエイでは感じたことがない違和感です。
【管理人の寸評】
バイクを普段使いする方には「ヘルメットはジェット」という選択肢もありまさぁね。俺はフルフェイスしか使わないのでなんとも……ですが、こちらはいわばスタンダード的な存在のようですな。
続いて、『カブト』です。
KAMUI-3
“あったらいいな”を全部つめ込んだ快適追求ヘルメット(公式サイトより)。
【ユーザーの声(主なアマゾンレビュー)】
・JIS問題ありましたがあえて買ってみました。全体のデザイン、インナーバイザーの作りが良い。全体的に特に問題ないように思えますが、サイズ感は実際に試着したほうが良い。GT-Airからの乗り換えですが、GT-Airの同サイズと比べるとややタイト&口元のスペースやや小さめなので、インカムのマイクを使う人はやや注意が必要。XS、S、M共通の帽体なのでMとLで迷ったらLが良いかも。
・とても軽く、通気性も良いのでとても気に入りました。1週間ほど使って、だいぶ頭の形に馴染んできてすごく快適です。アゴヒモもワンタッチのバインディングみたいな感じで、冬用のごついグローブをしていてもかんたんにロックできます。これから長く愛用したいと思います。
・バイザーがあると便利です。操作もグローブしたままで可能でした。サイズ感はキツめだと思います。頭を実測した56cmでして、絶壁の幅広なので通常はLを選ぶのですが、今回はレビューを読んでXLにしてちょうどでした。頭よりも頬周辺がタイトです。あと顎紐の金具は喉に当たります。価格が安いので色々とアラはありますが、我慢できます。
【管理人の寸評】
人気のあるモデルですよね。コストパフォーマンスに優れたヘルメットという印象です。
AEROBLADE-5
軽量を、快適を、スタイルを掴め(公式サイトより)
【ユーザーの声(主なアマゾンレビュー)】
・ショーエイZ6からの買い替えです。首痛で通院歴があり、少しでも首の負担を軽く出来るモノが欲しくてZ7と比較検討しました。手で持った軽さほどは、被って感激出来ませんでしたが、勿論重さは感じません。前後に長い帽体ながら重量バランスが取れているのでしょうし、チークパッドを始めとした心地よい包まれ感も軽量感に寄与していると感じます。ヘルメットに受ける前からの風圧が、極端に言えばゼロになったかのように感じていますし、逆に今思えばZ6のときはあんなに風圧に耐えていたんだなと気付かされました。
・かぶると静的には帽体が軽いことがよく感じられ、動的には高速走行の風圧に対し後ろに持っていかれる感じが少ないので、疲労軽減に役立つ。一歩惜しいのは、シールドの全閉からの1ノッチが大きすぎることと、操作に力が必要なこと。特に曇りやすい雨の日、信号停止毎に1ノッチ開ける→発信前に閉める、の操作をしてますが、レイングローブと凍えた手ではめちゃくちゃ操作しづらい
・軽くて通気性がすごくいい! 艶消しの青がかっこいいです! お気に入りのヘルメットです! 下地の色がシルバーなので傷がつくと気になります。シールドの閉まりが悪く、カチッと音がするまで閉めても直ぐに外れてしまいます。
【管理人の寸評】
こちらは上のKAMUI-3のちょい上位機種のようですね。レビューから判断するにベンチレーション(風通し)に優れていて、すごくよさそうです。ただ、シールド関係に少しだけ改善点があるようで、そこは要注意のようです。
RYUKI
快適な軽さのカタチ。IRカットシールド採用の軽量システムヘルメット(公式サイトより)。
【ユーザーの声(主なアマゾンレビュー)】
・ショーエイのQWEST(Sサイズ)から乗り換えです。重量アップなので、重さに不安がありましたが全然違和感ありませんでした。レビューでチークパッドがきついとあり、試着せずの購入だったのでこちらも不安でしたが、QWESTのSよりも若干余裕があるような感じがします。自分にはぴったりでした。かぶる際はチンガードを開けておけば非常に楽で、頬が持ち上がったりもしないので装着後も快適です。初システムヘルメットですが、さっとチンガードを開けて開放的になれるのが快適で感動しました。また、今までは時間帯に合わせてシールドを変えていましたが、サンシェードがあるためその必要もなくなりこちらも快適になりました。
・数十年振りにバイク買って自分のヘルメット買いました。システムヘルメット、便利です。基本、命を守るためのものだから出来ればフルフェイス、最低でもジェット型と考え、探したらこのヘルメット見つけました。走行中でもチンガート簡単にあがるのでむちゃくちゃ便利です。サンバイザーも便利。ちょっと重いような気もするけど、便利さから考えたら問題なしかと。
・システムヘルメット愛用者ですが、使用感はすごく良いと思います。以前使用していたヘルメットより大きく、原付等では収納に困るかもしれません。当方はyp250マジェですので、インカムを外せば収納可能です。ヘルメットベルトのリングは左右両方欲しかったかな?と思いました。
【管理人の寸評】
『カブト』のシステムヘルメットです。スタイリッシュな印象がありますな。ショーエイなどにくらべるとリーズナブルですし、これもアリですな。
あとは、ヘルメットの購入時の注意点として、サイズにはご留意を。
とくに『ゼニス』と『カブト』は比較的、表記サイズが小さい傾向があるようです(なかでも『ゼニス』はその傾向が強いといわれています)。
自分がSサイズならL、あるいは製品によってはLLサイズを選んだほうがよいことが多いそうな。
そう考えるといきなり通販サイトで購入するのではなく、実際に店舗でかぶってから判断するのがよいっすな。
多くの店舗で頭のサイズを測ってくれますし……。
『ゼニス』と『カブト』は甲乙つけがたく、どちらもリーズナブルな価格のヘルメットを提供してくれている好メーカーです。
どうしても価格と引き換えに犠牲にしている部分はあるのでしょうが、それは好みの範囲といえるような……。
これからバイクに乗りはじめようという方や久々にバイクに乗るというリターンライダーは、まずここからスタートして、「世の中で高性能といわれるものも試してみたい」と思ったら、そちらに移行するというのもよいかも。
ちなみに俺は「名より実」タイプなので、『ゼニス』と『カブト』も大いにアリです。
最後にバイク関連でいうとバイクに乗る猫が紡ぐハートフル四コマ漫画『みぃライダー』の新作を公開しました(リンクはこちら)。
よければ、あわせてお楽しみを!
でわでわ~。
投稿者/管理人