【バイク】「ねとらぼ」はなぜバイクの「くそランキング」を発表し続けるのか?

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今回は本サイトにて不定期で掲載している「皆様の疑問に全力回答」で、テーマは「『ねとらぼ』はなぜバイクの『くそランキング』を発表し続けるのか?」です。
いや、先日、友人から、その質問を受けたもので。
俺は本職はフリーの出版の編集者なのですが、もう紙媒体は斜陽もよいところで、最近はネット関連のライターもしているのですよね。
いや、むしろ、そのほうが多いかも。
それで、友人はそのような質問を俺にしたというわけです。
ただ、俺は「ねとらぼ」の仕事はしていないので本記事は一般的なHPサイトの運営からの類推になります。
ま、そうはいっても俺はいろいろな雇われ仕事をしてきましたし、本サイトも一応は収益化しています。なので、まぁドンピシャで当たらずとも、ほんのりと遠からずではあると自負しています。
「ねとらぼ」がひっそりと活動している個人運営サイトなら、何をしてもよいとは思うのですが、大手ですからね。天邪鬼な俺は強いものには噛みついていく性分。それでは~いってみま~しょう♪

とにかく閲覧数が大切~ねとらぼの儲け方~

まず「『ねとらぼ』はなぜバイクの『くそランキング』を発表し続けるのか?」の答えをいうと、これはもうお金儲けのためです。
資本主義社会ですからね。
それ自体は極めて健全です。

では、どういう仕組みかという、これはGoogleが関係しています。
具体的にお伝えしましょう。
下の画像はねとらぼのバイクのランキングのキャプチャです。

字面だけ見ると、おもしろそうなランキングですよね

この画像でいうと下のほうの赤枠のところが広告で、Googleが管理しとります。
このような広告は位置や設置個数はサイトの運営者が決めますが、内容はグーグルがAIで個人の嗜好に合わせて選びます。
俺の赤枠内は「Amazonミュージック」になりますが、確かに俺は音楽が好きで、音楽関連のサイトを閲覧したことがありますからね。

んで、仮に俺がこのバナーをクリックするとGoogleが運営者に一定の金額を払います
商品を買おうが買いまいが関係なく、クリックでOK。
金額は1クリックにつき、以前は20~30円とされていましたが、今、本サイトでチェックしたら8円ですわ。

ブロガーと呼ばれる方が運営しているサイト、あるいは企業が運営している商業目的のサイトもそうですが、これが主な収入源の一つ。Googleアドセンスと呼ばれるものです。
あとはHPサイトの収入源にはアフィリエイトや広告主と直接連繫する、いわゆる案件があるのですが、ここではあまり関係ないので割愛します。

ちなみに、このGoogleアドセンスは、きわめて危うい商売です。
だって、一つ当たりの売値をこちらが決められないのですから。
ある日、「Googleが1クリック1円で」と言い出したら、HPサイトの運営者はそれに従うしかない。
普通は「売れなければ単価を上げる」というのが商売の考え方の一つですが、この世界ではそれができないのですね。
だからブロガーとかはやめといたほうがよいと俺は思いますです、はい。

話を戻すと、この商売で何より大切なのは、とにかく閲覧数を増やすことです。
「人が集まるところにお金が生まれる」のは、この資本主義社会の大切な要素ですが、まさにこの商売がそう。見る人が増えるということはいろいろなアクションをする方が増えるということで、広告のクリックは閲覧数に比例しますから。

それで、「ねとらぼ」のバイクランキングも、できるだけ目を引くようなランキングをせっせと作っているわけです。

うまいことやっとります~ねとらぼの仕組み~

次に「ねとらぼ」のバイクランキングの記事の作り方です。
これはよくできています。

まず、ランキングには根拠が必要なのですが、「ねとらぼ」はバイク通販の最大手であるWebike(ウェビック)と提携しています。
Webikeはユーザーの意見が反映されるポータルサイトでもあるので、ユーザーからのデータが豊富なのです。

そのWebikeのデータを利用したランキングの記事の作り方は簡単で、誰でもできます。
試しに俺がやってみましょうか。
Webikeの「バイク選び」の項目から条件を絞るだけっす(例えばこちらのページの左側で条件を絞ってランキングを表示します)。
では、発表します。

「釣りツーリングにおすすめの国産バイク 注目度トップ5」
第5位 ホンダ・CRF250 RALLY
第4位 スズキ・ジェベル250XC
第3位 ホンダ・クロスカブ110
第2位 ホンダ・スーパーカブ110
第1位 ホンダ・CT125 ハンターカブ

はい、簡単にできました。
だって、Webikeの検査項目で「メーカー」「釣りツーリング」があるのですもの。
んで、「ねとらぼ」の記事はこのランキングをベースに、そこに各車のスペックと自分の所感を簡単に書けばできあがり。Webikeは優れたデータベースでもあるので、スペックはそこからコピペすればよいみたいっすね(あるいはメーカーの公式サイトからのコピペ)。

あと、HPサイトでは写真を用意するのが大変なのですが、それもWebikeから借りればよいわけですからね。
「ねとらぼ」はだいたいTOP30ですが、掲載形式の記事としては、だいたい3時間~半日もあればまとめられるかと。

んで、先ほどはザクっとHPサイトの収益の仕組みを説明しましたが、別の視点でライティング作業を見てみると、これぐらいの記事は一般的には1本3千円~1万円ぐらいです。HPサイト関連の仕事の単価は安いっすよ。

俺のイメージでいうと「ねとらぼ」の記事は作業時間3時間で5千円ぐらいの仕事なんじゃないかな。
だいたい時給1700円で、パソコン1台あれば自宅で作業は可能。
「ねとらぼ」のライターさんはそのような仕事で、せっせと「くそランキング」の記事を制作していると。
あ、なんで「くそランキング」かは次の項目で説明しますね。

あとは、「ねとらぼ」のよくできた仕組みをもう一つ紹介します。
それは「ねとらぼ」はYahoo!と提携しているということです。
それで、Yahoo!関連のサイトを開くと記事が出てくるのですな。
俺なんかはYahoo!のトップ画面をホーム画面に設定しているので、どうしても目についてしまう。
俺以外でもそういう方、多いのでは?

基本はスルーで~くそランキングとの向き合い方~

先に「ねとらぼ」のバイク関連のランキングを「くそランキング」と表現しました。
その理由は、バイク乗りでいずれかのランキングを見たことがある方はわかるでしょうが、もう滅茶苦茶なんすもん。

例えばテーマは「男子にモテるバイク 注目度ランキング」とか「燃費が良すぎる大型バイク 注目度ランキング」(←これは良すぎるってなんやねんという話です)、「ストリートバイク 満足度ランキング」などがあって、誰がどう決めるねんという疑問がついてまわります。
まぁ、まだ、それはいい。

もっとひどいのがランキングの内容で、例えば「下道ツーリングにオススメのバイク 注目度ランキング」と「高速ありのツーリングにオススメのバイク 注目度ランキング」の両方に第2位でカワサキ・Z900RSがランクインしているのです。
そう、みんなが思うのです。
「結局、Z900RSはどっちやねん!」
そして……
「このランキング、なんやねん!」

ただ、これは仕組み上はしょうがないし、根拠もしっかりとある。
それは先に紹介したようにWebikeです。

Webikeはポータルサイトで、一般ユーザーも書き込めるので、自分の愛車についてレビューしていくのでしょうね。項目があれば丸をつけると。個々のデータとして見れば、ユーザーの声で貴重なのですが、あくまでも主観ですからね。人によって見方が違う

それとランキングとしてのデータの取り方がちょっと……です。
普通は例えば「釣りツーリングにおすすめの国産バイク 注目度トップ5」というテーマなら、そのテーマに対する答えをたくさんの方に聞いて、それをまとめるでしょう。ちなみに俺ならヤマハ・セローに1票です。

でもWebikeはそうではなくて、個々のバイクで評価をまとめる。例えば今の俺の愛車・スズキSV650について、「釣りツーリングにおすすめですか?」と聞かれたら、答えはYESですが、他のバイクと比較すると、そりゃ、より軽量なセローのほうがよいと答えます。

でもWebikeのランキングは、そのSV650を「釣りツーリングにおすすめ」とカウントしていく……。

結果、ちょっといびつで「なんでやねん」ランキングになってしまいます。
まぁ、それでも一応の根拠があるランキングであることには間違いないんすけど。

問題はその先です。
そのランキングになんの疑問も抱かずにせっせと記事にまとめる人間がいて、それを飯のタネにしている運営元が存在するということです。
え~と、「ねとらぼ」でいうと、よくバイク関連の記事を書いているのが二輪児さんですね。
プロフィールが公開されていて1975年生まれとのこと。不惑をとうに過ぎて、辿り着いたライター業務がこちらですか……。

「下道ツーリングにオススメのバイク 注目度ランキング」と「高速ありのツーリングにオススメのバイク 注目度ランキング」に同じバイクがランクインしていて、何の疑問も抱かない感性、どなんすかね。

そうそう、ねとらぼが巧妙であることの一つは記事のライターを明記しているところです。そうすると何となく「信用できるかな」と思うもの。でも、それがそうでもないのです。
だって、ペンネームでっせ。プロフィールも明記されているけれど、それが本当であるかどうかを調べる術がない。
二輪児さんを例にすると、ググってもヒットするのは「ねとらぼ」の記事だけ。他の記事やサイトでは別のペンネームにして、なんならプロフィールを別のものに創作しても何の問題もない。
これは無記名記事と同じようなもんすよね。

まるっといってしまうと「ねとらぼ」のライターさんにはメディアに携わる人間としての矜恃はなく、ただ、流れ仕事のように作業しているだけ……。

↑紹介しているバイクに乗ったことは多分、ないでしょうね。っつうかまとまなバイク好きなら、この仕事は受けないですよ。

これで「くそランキング」の記事のできあがりです。

バイク好きはランキングは気になるので、記事を見る人がいる。
見る人がいればお金になるので、その後も続ける。
記事は流れ作業でたやすく完成するし、とにかく閲覧数を伸ばすには数が多いほうがよい。
これが「ねとらぼ」がくそランキングを連発する流れかと。

仮にこのランキングが個人運営のサイトなら、根拠があるランキングですし、俺は「がんばっているな」と応援したくもなりますが、大手がやってよいかというとおおいに疑問符です。

すでにバイクに乗っている方なら「くそランキング」をネタとして楽しめばよいのでしょうが、これからバイクに乗ろうという方がクセがあるランキングということを知らずに見て、そして、信じて、このランキングをバイク選びの参考にしてしまったら、よろしくないのではないかと。

なので、「ねとらぼ」のくそランキングはできれば淘汰されていただきたいし、そのためにはどうすればよいかというと……。「ねとらぼのバイクのランキングは見ない」、これがいちばんです。
精神衛生のためにもそうですし、閲覧数が減ると会社(「ねとらぼ」)は見切りますから……。

今回は以上です。
でわでわ~。

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