今回はジャンルは「バイク」で、あることを徹底解説します。
それは……交通違反の罰金についてです。
「交通違反の罰金は義務ではないし、払わなくても捕まらない」と耳にしたこと、ありません?
俺はそれを聞いたことがあって、ずっと気になっていました。
それに先日、「オービスで34㎞の速度超過、24回の出頭要請を拒否…75歳の自称・看護師の女『写真に写っているのは、自分ではない』という話題がニュースになっていました。
はたして交通違反は認めなければ無罪放免なのでしょうか。
目次
認めないという選択肢~ニュースと面白話~
まずは先に触れたニュースの紹介から。報道されたのは2023年1月25日です。概要は次の通りです。
・きっかけとなった違反の日時と場所/2020年6月、北海道南部の長万部町の国道で乗用車を運転中、34㎞超過の速度違反をしたとオービス(速度違反自動取締装置)で測定
・今回、ニュースになった理由/特定されたドライバーが24回の出頭要請を頑なに拒否したために2年以上経過した2023年1月に逮捕された。ドライバーは依然として「写真に写っているのは、自分ではない」と容疑を否認している※参考サイト/HBC北海道放送
・オービスで34キロの速度超過、24回の出頭要請を拒否…75歳の自称・看護師の女「写真に写っているのは、自分ではない」
こういうケースってどうなるのですかね。
このニュースについては逮捕されただけで、別に起訴されたわけでも、ましてや有罪になったわけでもありません。この問題について世間の人はどう考えているのか、そちらも別の記事でまとめているので、よければどうぞ(その記事はこちら「『オービスで34km速度違反を撮影されるも出頭に応じず 2年半後に逮捕』を語る」)
あと、これと似た話で、俺が以前、知人から聞いた興味深いエピソードがあります。
それは知人の友人の話です(かなり遠い関係ですみません)。
そちらも確かスピード違反だったと思うのですが、「どうすれば捕まらないのか」という話題になったときに出たエピソードで、なんでもその方は警察の話は聞けど、徹底して認めるアクションをしなかったのですって。名前を告げなければ、免許証も見せない……。
豪気ですな。
するとどうなったかというと2時間後ぐらいに、そのまま解放されたそうな。
いや、ホントかどうかすら、わかりませんが。
あと、次のような話も経験談として聞いたことあります。車の話で路駐して戻ってきたら駐車違反の輪っか(昔は輪っかだったのですよ)をつけられていたけれど強力な機械で自分で切って、罰金も払わなかったと。その後は何もなかったそうな。
俺は交通違反で捕まったら、即座に罰金を払ってきましたが、対応しない方は意外と多いようなのですよね。それで、結構、何のお咎めもないことも少なくないようで……。
警察と検事はどう違う?~言葉の整理~
ここでちょっと基礎知識を整理しておきます。
この問題を考えるうえで必要ゆえ。
まず、日本の制度として、法律を犯して有罪となるには裁判を経る必要があります。
裁判をするには事件を起こした被疑者について、検察官が刑事裁判を開いて刑罰を決定するために裁判所に訴えを起こさなくてはいけません。これを「起訴」といいます。
難しいっすよね。すでにここまででも馴染みのない単語が出てきました。
まず「刑事裁判」ですが、文字通り刑事事件の裁判のことで、犯罪を起こした疑いのある人が本当に犯罪を行ったのか(有罪か無罪か)、もし行ったとしたのならどの程度の刑罰を与えるのかを決める手続きのことです。
「交通違反が刑事事件?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、一部の交通違反は刑事事件なんすわ。これは後述します。
んで、次は「検察官」です。
これはなんとなくはわかりますかね……。
あらためて説明すると検察官は警察官とは違います。
警察官は「犯人を探して逮捕したり、証拠を収集したり、取調べを行ったりといった捜査」を行います。
一方、検察官は「警察官の捜査などを引き継ぎ、本当にその人物が犯人であるのか、さらに捜査を行う(自身で捜査を行ったり、警察を指揮して捜査を行ったりする)」という役割です。
被疑者を裁判にかけるか否か、つまり起訴するかどうかの最終的な判断を下すのも検察官の役割です。
それで、起訴されると裁判が始まり、そこで裁判官が有罪としたら、有罪になります。
逆にいうと「逮捕=有罪」ではなく、逮捕は、その犯罪を犯したという疑いがあるというだけで、逃げたり証拠を隠滅したりしないためにする行為です。
ちなみに同じジャンルで、よく耳にする言葉に「書類送検」がありますが、こちらは正式な法律用語ではないそう。意味としては被疑者(犯罪の疑いのある人)で、身体拘束されていない者の事件記録や捜査資料を検察官に送る手続のこと。逮捕との違いにつていは、逮捕は被疑者の身柄が警察官から検察官に送られるのに対して、書類送検は身柄は拘束されていなくて、書類のみが検察官に送られることになるのですって。
※参考サイト/
・起訴とは?弁護士が分かりやすく解説!
・誰でもわかる刑事裁判の簡単ガイド!流れや民事裁判との違いとは?
・検察官とは?警察との違いは?仕事内容や役割、やりがいも解説
・逮捕と起訴の違い|書類送検されると有罪になるのか?
・書類送検とは|前科はつく?逮捕との違いとその後の流れを解説
30㎞の壁~反則金と罰金~
ふぅ、本題に入るまでが長くなってもうた。
ここからが本格的な核心への第一歩です。
話を広げると複雑になるので、今回は「バイクのスピード違反」に限定しますな。
罰金や減点される点数は超過速度によって異なります。これはきっと皆様、ご存じでしょう。
でも、ここでは罰金と表現しましたが、じつはスピード違反で捕まった場合に支払うものには「反則金」と「罰金」があることを知らない方は多いのでは?
この二つは性格が異なり、反則金は交通反則通告制度という制度にもとづき、比較的軽微な交通違反に対する行政処分として課されるものです。
一方、罰金は重大な交通違反に対して刑事処分として科される違反金です。言葉を換えると反則金は軽微な違反に対するもので行政責任、罰金は重大な違反に対するもので刑事責任ということになります。これは意味合いとしては先に出てきた刑事事件と同じで、事件と同様に該当者は被疑者となります。簡単にまとめると次の通りです。
んで、それぞれの金額や減点の点数は次の通りです。
本項目はここまでで。肝心の「罰金を払わなかったらどうなるかのか?」は次で説明するにして、ここではとにかく
一般道路では30㎞以上、高速道路では40㎞以上とそれ未満では大きな差がある!
ということを抑えておいてください。
※参考サイト/
・バイクの交通違反の点数と反則金について知る
・反則金とは。交通反則通告制度と交通反則通告センター。支払い(納付)は土日もできる?
・反則金とは。交通反則通告制度と交通反則通告センター。支払い(納付)は土日もできる?
軽微な違反はじつは……~罰金を払わないとどうなる?~
それで反則金や罰金を払わないとどうなるかですが、まず重いほうの罰金からいくと、これはやがて「逮捕→起訴→有罪」の可能性があります。
先に紹介したニュースがその例で、34㎞だから刑事罰で、出頭要請を無視したから逮捕されたと。起訴されるかどうかはわかりませんが、有罪となり前科がつく可能性があるということっすね。
一方、軽いほうの反則金ですが、これがちょっとややこしい。
じつは反則金の支払いは任意で強制ではないのですって!
んじゃ、「任意なら払わなくてよいや」と思うかもしれませんが、もちろん、そのままで済むわけはありません。
簡単に説明するためにかなり端折りますが、その後は支払催促が届き、やがては行政責任から刑事責任へと切り替わって警察署への出頭通知が届き、それでも、すべてを無視すると起訴されることもあると。
ではなぜ冒頭の「交通違反の罰金は義務ではないし、払わなくても捕まらない」という説があるかというと、逮捕されることは多くはなく、さらに起訴されるところまでいくのは0.01%というデータがあるからでしょう。
罰金ではなく、もとが反則金の人が反則金を納付しなくともほぼ100パーセント不起訴だそう。
どこのサイトで見たか、忘れてしまったのですが、反則金から有罪になったケースは確か前例がなかったんじゃないかな……。これはその前にお金を払う人がほとんどということでもあるのでしょうが。
なお、ここまでの情報は調べた結果ですが、なにぶん俺は法律の専門家ではありませんし、極力、シンプルに説明しようとしたがゆえに誤りもある可能性がある旨、あらかじめご了承を(お気づきの点はコメントにご教示いただけますと幸いです)。
※参考サイト/
・うっかり忘れてた! 「反則金の納付」支払わず放置し続けるとどうなる? なかには「逮捕」のケースも
・反則金を払わなければ「ほぼ100%不起訴」! その裏付けデータを公開する!!
・交通違反の反則金を払わないと逮捕される?半年や1年払い忘れると出頭通知書がくる?
あくまでも知識として…~まとめ~
そして、まとめです。
ここまでの話の流れでは「スピード違反には軽いものに対する反則金と重いものに対する罰金があって、反則金なら払わなくても大丈夫」というような感じになっていますが、本記事は、決してそれを推奨するものではありません。事実として起訴→有罪になる可能性はかなり低いというだけで、人間たるもの、法律を犯したら、なんらかのかたちで償うのは当然です。
実際、反則金の納付率は毎年98%前後とかなり高い率に達しているそうです。いや、じゃあ「残りの2%は払ってないんかいっ!」とツッコミたくもなりますが、何事も100%は難しいですからね。
なので、ここでの情報はあくまでも知識として……。っつうか、そもそも捕まるようなスピードを出すこと自体が誤りなので!
今回は以上です。
でわでわ~。
投稿者/管理人