寒くなってきて朝布団から出るのも億劫になってくるシーズンですね。
私も最近は二度寝して朝イチの釣りに出掛けられなかったりしてます。
魚も水温が上がってきてからの方が活性が…。
言い訳です。
やっぱり朝まずめと夕まずめ、そして夜!
体に鞭打って出陣した武士(もののふ)のみが許される栄光が、魚のキャッチなんでしょうね。
今回は比較的レア魚。そしてそれを釣るまでの私の奮闘も含めてお伝えします。
そう、今回は夜釣りです。
ちなみに引っ張っちゃいましたが今回のターゲットは…
サットウ(ゾンビマグロ)
です。
今回も駄文お付き合いよろしくお願いいたします。
そもそもみなさんサットウって知ってますか?
私は数年前、島寿司を知った流れからサットウのことを知りました。
その頃、ドルフィンスイムにハマっていて御蔵島や三宅島によく渡っており、甘めのシャリに漬けの魚を乗せ、ワサビでなくカラシを使う「島寿司」をよく食べてました。
ドルフィンスイムとは野生のイルカと泳ぐことで、日本にはそんな素敵な場所があります。
私がさらにホエールスイムにまで手を出したのはまた別の機会に。
御蔵島の写真、一枚だけ貼っておくとこんな感じです。
あ、泳いでいるの私です。めちゃいい感じ(自画自賛)
もうこの際だからもう1枚。これ…もはやクリスチャン=ラッセンでしょw
おっとと。話戻して。
お店の人から聞いたのが、白身の大トロの魚の話。
美味しい魚だが、人を社会的に? 殺す毒?? を持っているという魚の話でした。
よくわかりませんよね。
調べてみると、
アブラソコムツ(油底鯥・脂底鯥、英名:エスカラー)は、
スズキ目サバ亜目クロタチカマス科のアブラソコムツ属に属する魚。
各国の温熱帯の深海域に生息する。
とのこと。
スズキ目(美味しそう)
サバ亜目(美味しそう)
クロタチカマス(美味しそう)
なんで、やはり美味しいのではと思っちゃいます。
食べてみたいなと思ったのですが、なんと、
日本では販売禁止に指定され(食品衛生法第6条2項:有害な物質を含むもしくはその恐れのある食品)、判例もこれを支持しているため、市場には流通していない。
ええ…。
かなりアングラな匂いがしてきました。
お店で食べることもできないようですね。
安土桃山時代にはフグも禁止されてましたが、この技術が進んだ現代で、流通を禁止。
しかも美味しんだよね。ということで俄然食べたくなってしまいました。
というわけで調べてみると、私の祖父母が住んでいた
静岡県の清水市(現在は静岡市清水区)から釣り船が出てるとの情報。
これは行ってみようと思い、家族には祖父母の墓参りにコロナで行けてないと説明し、
美味しい魚食べに行こう!
動物園(日本平動物園)か水族館(東海大学海洋科学博物館)に行こう!
と唆(そそのか)し、
夜、1人船で出かけようと計画しました。
清水の第三大黒丸で勝負です。
…が、予約して計画した釣行は
1回目:子どもが熱出してキャンセル。
2回目:海が荒れて出船できず。
よくよくツキのない私です。
3度目の正直で、ついに土俵に辿り着きました。
夏の終わりに企画して、行けたのは11月になってました。
清水…埼玉にはない海の匂いですね。
立ち寄ったエスパルスドリームプラザ(地元民がドリプラと呼ぶ)の前の海を除くと
え、いいサイズのクロダイがいっぱい。
(見にくくてすみません。赤マーカーの中に2匹)
釣りたくなりますが、夜出かけるために日中は家族サービスです。
マグロ丼食べたり、海で子供走り回らせたり。
…さて、日が落ちる頃からが本番です。
巴川の河口から乗船します。富士山も見えていい感じ。
船長に挨拶したら、開口一番
「今日は厳しいかもね〜長潮で潮動いてないので」
まじすか?!
こっちはようやく辿り着いた勝負の日なのに。。。
でも後は私の実力次第だと考えを改めて、準備します。
タックルはレンタル。
巨大リールに太いロッド。リーダーなぞ、光ケーブルの太さです。
ロッドの下に垂れ下がっているのがライン(ショックリーダー)なんですよ…。
すごい太さです。
リールの水深計壊れてるので、PEラインの色変化を数える必要あり(笑)
150m以下を釣るのに大変です。あ、電動に見えますが完全マンパワーです。
メタルジグは200g。
さらに餌もつけて放り込みます。
お隣に来た方はこの釣りにハマっているアングラーで、
マイタックルがステラ12000!すごいタックルの釣りです。
今回は5名で出船でした。
駿河湾、急深の地形でして、岸の明かりが見えてるような場所で釣り始めます。
※この写真は流石に航行途中です。もう少し沖でした。
が、うんともすんとも。
長潮にもかかわらず、潮の速さはあります。
棚が深いので、ラインが45度くらいに。
これ、角度計算して深さ見なきゃなのか。難しい。
2時間くらい経過して、巻き上げとフォールにも疲れが出てきました。
確かに釣れねぇと少し集中力が切れ始めた時でした。
隣のステラ12000の方に大きなアタリ。
その途端、他の釣りで見ないような全力の
フッキング!!5回!!!!!
親の仇のような力強さでした。
隣で釣っていた私も自分の竿を上げてランディングに備えます。
ちなみに150mくらい巻き上げるので、一旦上げるのも大変です。
さらに船長からの指示で、ギャフを持たされてます。
ランディング私がやるのか…笑
人生初めてのギャフを持っていたら、船長は反対側の隣の人にもギャフ持つように指示。
少しだけ責任感が軽くなりました。
そして魚が見えてきて…でかい。
2〜2.5m!!??
んん?見覚えのあるこのシルエット…
まさかの巨ザメでした。
サメは全く弱らず、30分ほどのファイト。
船長からは左右でギャフでかけてあげろとの指示ですが…
素人の我々、確実に真ん中のアングラーにサメを正面からぶつける気がします。
喰われるんじゃない…?
ドキドキしながらその時を(ギャフ掛けの時を)待ちます。
が、一向に上がらず。上がってくるとすぐに100m近くライン出されちゃいます。
船長から「諦めて、ライン切ろう」の言葉が。
人間の力で…、あのサイズのサメと戦うとこうなるんだな…。
付けてたのはイカとのことですが、サメのサイズ大きすぎて、
もしかすると、イカを喰ったサットウがサメに喰われたのかもしれないとのことです。
お疲れ様でした。
なんとなく、船内が活気付いてきて、私も再度やる気が。
私もメタルジグ+イカで勝負に出ます。
すると…、150m付近でアタリ?なのかな。
ちょっと判断取れなく、その後動かないので一度上げてみると
…あれ?イカが半分に。
なんか当たったような違うような感覚はあったものの、おそらくあれだったのか…。
もう一回同じ深さにジグを落とします。
すると…すぐに明らかに竿がお辞儀!!!!!
私「きましたー!!」
船長「5回合わせろーーーーー!!!」
船長「もっと強く!!!!」
戦闘の火蓋が切って落とされました。
このチャンス、必ず仕留めたい。
巻いてはドラグ出され。また巻いては…、走ります。
PE10号とかなのに、ドラグフルロックでラインが出るなんて、なんの釣りなのか。
でも大物、楽しいです。
体感的には30分(サメと同じ?!)位バトルした気がしましたが、
恐らくそこまでではありません。
でもついに水面に…
サットウキター───O(≧∇≦)O────
ステラ12000サメアングラーさんが、ギャフかけてくれるようです。
この辺の写真がないのが残念ですが…。
無事水揚げ成功!!!!!
しかし、ギャフかけた直後、メタルジグからフック取れてました…危ねぇ。
普段使いのメジャーシート、完全にオーバーですね。
80cmはあります。
重さは3.32kgありました。
嬉しい。
追い求めてた魚をついに仕留めました。
しばらく力が抜けて呆然としてました。
非常に満足感があります。
さぁ解体です。
船長にナイフ借りて三枚おろし。
柔らかくてサクサク行けます。
初めてにしては上手くできました(笑)
じつは真っ白。船上は油でテカテカ。
袋に詰めて持ち帰りです。
なお、このサイズ、最小クラスレベルだそうです。
しかし、本日船内1匹!
この日にかける情熱の勝利です。
さて、ここからが次の戦い。
むしろ本当の戦い。
刺身!
見るからにアブラギッシュ!
美味しいです!!!!!
ワックスエステルの脂、
なんか蝋燭みたいな味になるのかと怖々食べましたが、普通にブリ系の大トロ。
美味しすぎです。
でも、2切れにしときます。(2切れ限界説を信じてます)
が、鮮度の良いうちに食べておきたかったので…
さらに焼き!これも絶品。ほろほろしてますがパサパサにならない。
ジューシーです。
フライパンの中でいつまででも油が出るので、揚げ焼きのようになってます。
ご馳走様でした。
満足です。
さて…許容量は…超えたのでしょうか。
わからないのでリスク回避のためオムツして寝ました。
アラフォーにもなってオムツするとは思いませんでしたが、念のためです。
だって自覚症状なく出るんですよ。油が。
許容量超えている気もするので、念のためです。
翌朝、結果としては、無事でした。
トイレは…ゆるく、油が浮かびましたが、私の身体は本日もぎりぎり勝利したようです。
長文になりましたが、自分で手に入れないと食べられないなんてロマンありませんか?
流通が発達し、交通手段も増えた今でも、自分で釣らないと食べられないアブラソコムツ。
グルメ気取りの会社のあいつにも言ってやりたい。
「アブラソコムツ食べたことないでしょ?」
※アブラボウズは食べたことあると言われるかもしれません。こちらは高級魚。禁止されてません。
なんだかトリコ(ジャンプでやってた漫画です)の世界観です。
グルメハンターになった気がして楽しかったんですよね。
皆様もぜひ。
あ、アブラソコムツ食べすぎると最終的には皮膚から油が染み出して最悪死にいたるとのこと。
気を付けて(自己責任で)チャレンジしてください。
筆者も、このサイトの運営さんも責任は取れませんので悪しからず。
では!
次回は…今シーズン私の中で流行った、フラギルで行きたいと思います。
やりすぎて、シーズン202匹(12/18現在)釣ってます。
お楽しみに…?
執筆者のプロフィール
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「私が実際に行っているさまざまな釣りジャンルを紹介し、面白そうだと思ったらぜひ読者の皆様にも試していただきたいと考えています。トラブルにならない範囲でポイントも紹介予定! どうにもできない部分もあるでしょうが…。さまざまな釣りジャンル、さらには釣りのスタイル(タックルや、あると便利な道具、ルール、マナー等)にも触れていきます。よろしくお願いしますっ!」
もちろん、絶対的な正解があるわけではないので、一つの考え方として書くようにいたします。
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