東京で、谷底から1番高い場所に架かる橋をご存知だろうか?
答えは「倉沢橋」だ。
奥多摩アングラーなら誰でも知っているこの橋は、谷底から約60mの高さにかかっている。

ちなみに「日本一は?」というと、岐阜県の「新旅足橋」で、谷底からの高さはなんと200mとのこと。
さて、その倉沢橋が前身の木造橋から今の形に架け替えられたのが昭和34年ごろ。
当時の奥多摩は石灰石の採掘が盛んで、関係する作業員の社宅など、数十世帯が暮らしていた倉沢村へつながる橋だったが、現在は廃村となっている。

この倉沢橋の下を流れ、日原川に注ぐ支流こそ、今回の舞台となる「倉沢谷」である。
じつはこの沢、かつて別の川での釣りの帰りに下見で寄ったことがあるのだが、なんと1時間ほどの遡行で魚影ゼロという快挙を成し遂げた沢なのである。
ところがこの沢については以前、chat GPTが「まだ奥多摩で戦える沢」の第2位にランクさせた由緒ある沢で、大きいサイズは期待できないが魚影はそこそこ濃いと、まるで見てきたかのように評した沢である。
そこで、どうせ行くなら愛車のソンダー号(電動アシスト自転車)の能力を発揮し、徒歩では絶望的な最奥まで行ってみることにした。

沢谷の川沿いには、倉沢林道が並走しているが、激しい崩落の影響で長い間通行止めとなっており、当然のことながら入り口には頑丈なゲートが設置されている。
車やバイクは通行できないが、ゲートのポール脇から歩行者や自転車なら通り抜けられるのである。

さて、林道の序盤こそアスファルト区間だが、すぐに砂利道となり、バンピーな登坂路は電動アシスト自転車と言えど走行は厳しいものがあった。

砂利のデコボコ道を30分ほど走ると、ついに路面からも木々が生え出した「人類しばらく通行してない区間」に到着したので、自転車を残置し、かろうじて林道の面影を残した「道っぽいところ」を徒歩で移動することにした。
というのも、chat GPTの言う「まだ奥多摩で戦える沢」の目的ポイントはまだ先なのである。
こんなところの情報を彼はどのように収集したのか甚だ疑問である。
彼なりの根拠があるのか?
ただのハルシネーション(AIがつくもっともらしい嘘)か?
まぁどちらに転んでもこうしてコラムのネタになるなら……と、あれこれ考えながら進んでいくと、ついにスマホのGPSアプリが目的ポイントを指し示したのであった。

急斜面のはるか下を流れる川へのアプローチ、イヤイヤどう考えても降りられないでしょ……。
周囲を見渡すが「ここから降りる方がまだマシ」と思えるアプローチポイントでさえ、今日の装備と自分の技術では無理だ。
しかしここまで来て引き返すのか?
数多いる源流系ユーチューバー達ならきっと……頭のネジがブッ飛んでる彼らならきっと降りるんだろうな……と、3分ほど考えを巡らせたが、勇気をもって「引き返す」という選択をした自分を褒めたいっ!

というわけで大物の香りが漂う最奥のエリアに別れを告げた。
しかし去来する後悔と安堵で、引き返す道中ずっとモヤモヤしていた……。
残置した電チャリの場所まで戻り、今日の予定を練り直す。
幸い時間も早い、このまま林道を戻り、入渓できそうなところで電チャリを残置し、川に入り遡行、キリのいいところで林道に上がり、残置した電チャリまで戻って再び林道を下る……。この繰り返しで小刻みに川を探る作戦で行こう。

そうして電チャリで林道を下っていると、わりとすぐに、上りの時には気づかなかったが、川に降りる残置ロープを発見するのであった。
残置ロープがあるということはここから釣り人が入渓しているということだ。
しかもこの残置ロープ、すごく新しい。
林道下から崖沿いを緩やかにおよそ40mくらい張られている。
ロープは滑り止めに要所でダンゴを作っており、杉の木や強固な岩を中継箇所にしていることから「設置者は今後、何度も訪れる予定」に違いない。
期待に胸が膨らむ。電チャリを停めて川に降りてみた。

この日はじめて踏み入れた渓流。
自転車漕ぎと徒歩探索に時間を費やし、「いったい今日は何をしに来たのか?」と惨めな気持ちであったが、残置ロープ出現のおかげで一気に盛り上がりを見せる。
chat GPTがオススメする「奥多摩でまだ戦える沢」の第二弾。「大物は期待できないが魚影は濃い!」って、はるかアメリカのデータセンターから、まるで見てきたかのように言い放ったchatGPTの言葉を信じてここまで来たが、果たしてその実力はいかがなものか!?

ところが、ここで結論を言ってしまうと釣果的には「散々」だった!
いや、魚は居るっちゃ居た。ただし小さい!
だいたい10cmから15cmくらい。あと久々に4~5cmくらいの稚魚ヤマメとか見た。
チェイスは数回、ヒットは3回、そのうちバラしが2回(汗)。
そこでここからが今日の本題である。なんと私は、この散々な釣果をAIに盛ってもらうという暴挙に出たのだ(だってYouTube的に撮れ高が……)。
そこで今回はただの釣りコラムではなく、実釣も交えた生成AI動画のお話となる旨ご了承を。
ロケーションは、この日に唯一ランディングまで至った、「目を疑うような絶景ポイント」、この場所へのアプローチからランディングシーンまで、実際のGoPro動画とAI動画を織り交ぜて、実に10日もかけて初のAI動画にチャレンジした!
ここに関しては、もう実際の動画を見てもらったほうが早いので、ぜひ下のリンクからご覧あれ!
※動画はこちら↓
でも一応コラム的には文字に起こさないと管理人さんの手前、申し訳ないので頑張って書いてみる!
使用したAIは、「chat GPT」と「Google Flow」である。流れ的には「chat GPT」に動画の骨格となる指示書(プロンプト)を書いてもらい、そのプロンプトを「Google Flow」に投げて動画にしてもらうという感じ。
しかし簡単に言っているが、これが実際にはボツ動画の嵐で、たかが2分ちょっとのAIシーンなのに、マジで10日間もかかった(汗)。
動画生成に、まず登場人物の設定をする。私、「浄渓(じょうけい)」を「Google Flow」のキャラクター設定に追加する。

これは今年、たまたま誰かに撮ってもらった私の後ろ姿の画像を「chat GPT」に渡し、姿勢を整えるなどの加工をしてもらい、「Google Flow」にアップロードしたものである。
後ろ姿にした理由は2つあり、1つは「基本的にYouTube内で顔出しをしていないから」ということ。そして、もう1つは、仮に顔出しOKだとしても「動画生成AIは顔の固定が苦手だから」ということである。
たかが2分ちょっとのAIシーンのなかで、登場人物の顔が微妙に変わったら何か嫌だよねぇ。
そしてこちらは実際のGoPro動画である。はるか向こうに「目を疑うような絶景ポイント」がある。イヤほんと、この瞬間はマジで40cmオーバーのヤマメが釣れる自信しかなかった(笑)。

※実動画のキャプチャ
ここからAI動画。ゆっくりと斜面を降りていくよう、細部まで細かくプロンプトを作り、「Google Flow」に引き継ぐ。今回は実際のYouTube動画同様、OKシーンしか出さないが、各AIパートにつき5~6本はNG動画が生成されたと思ってほしい(泣)。
しかしリアルである。

※AI動画のキャプチャ
ここでちょっと「Google Flow」について説明を。
「Google Flow」は、インストールが必要なアプリではない。ブラウザからサイトにログインする。ログインにはGoogleアカウントが必須である。
使用に関しては現在のところ基本的に無料だが、無料だと動画1本あたりの尺が8秒程度となる。
動画1本の生成につき10クレジットが必要だが、一応Googleアカウントを持っていればログイン時に50クレジットが付与されるので、8秒動画なら5本は生成できる計算である。
そして嬉しいのが、なんとクレジットを使い切っても、約24時間でクレジットが復活するのである!
ちなみに私は何故かGoogleアカウントを4つも持っているので、アカウントをまたげば、計算上は1日20本も生成できてしまう(笑)。
これはなかなかの裏技で、生成の失敗を恐れず、何度もチャレンジできる。

話を戻そう。
次は実際のGoPro動画に切り替わり、主人公の浄渓が絶景ポイントに歩みを進めるシーン。この先に大滝が出現する。
この時はまさかAI動画を作るなんて夢にも思わなかった。だって40cmオーバーの「魚止めのヌシ」を釣る予定だったのだから。

※実動画のキャプチャ
AI動画に切り替わる。大滝に向かって歩く浄渓の後ろ姿である。奥にチラリと大滝が見えるところでカット!
なかなか大滝の全貌を見せないようにし、視聴者の期待感を煽る。

※AI動画のキャプチャ
いよいよ大滝出現のシーン(AI動画)。ドローンカメラの動きもプロンプトで細かく指示を出したので、映画なみのカメラワークが実現可能である。なんかヘルメットの色が勝手に変わっている……。

※AI動画のキャプチャ
そして、実際のGoPro動画。キャスティングシーン。プロンプトの妙だが、こうして見ると、AIによるこの大滝の再現性はかなり高く感じる。

※実動画のキャプチャ
AI動画に切り替わり、キャストされたルアーが着水するシーン。カメラアングルを変えて、滝側から写す。

※AI動画のキャプチャ
続いてルアーの水中動作の様子。文句を言えばキリがないが、ルアーの再現性、特に「テールにシングルフック1本」という指示は最後まで無視された。「Google Flow」のなかで、「ルアーといえばトレブルフックがテールとベリーに1個ずつ!」なのかな?

※AI動画のキャプチャ

※AI動画のキャプチャ
ここでヌシの登場!
歴戦の巨大ヤマメと指示したら、謎の巨大古代魚になってしまった(汗)。
川底を回遊しているさなか、キャストされたルアーに気づく。

※AI動画のキャプチャ

※AI動画のキャプチャ

※AI動画のキャプチャ
リトリープする主人公の浄渓。この「ロッド右手持ちで左ハンドル」がなかなか再現されず、何度NGを出したことか……。

※AI動画のキャプチャ
巨大ヤマメがルアーを猛追し、捕える瞬間!
今回、「Google Flow」が生成する動画は軒並み動きが遅く、ここも動画編集時には3〜4倍速にした記憶がある。なのでせっかく8秒動画を生成しても、実質2秒くらいの尺になってしまう。

※AI動画のキャプチャ

※AI動画のキャプチャ

※AI動画のキャプチャ
ヒットシーン!
もう少し躍動感が欲しかったが、「Google Flow」が本気を出すと、カジキマグロをヒットしたかのようなオーバーアクションになってしまうので妥協した。何か主人公の浄渓がメガネとかかけてるし、ちょいちょい暴走する……。

※AI動画のキャプチャ

※AI動画のキャプチャ
カメラが変わって水中のヒットシーン(AI動画)!
なんだか釣り人を思い通りに動かすのは難しいのだが、魚の動きはだいたい1発でOKだった。

※AI動画のキャプチャ

※AI動画のキャプチャ

※AI動画のキャプチャ
見せ場のファイトシーン(AI動画)。
主人公・浄渓の斜め後ろから、絶妙のカメラワーク。アマゾン川で怪魚ピラルクとの死闘……もとい日原川の枝沢で巨大ヤマメとのファイト。

※AI動画のキャプチャ

※AI動画のキャプチャ
しかし何だかリアル女性に相手にされず、AVを見て喜んでいるような……。この頃はAI動画を生成してても、楽しさ半分、虚しさ半分だった……。
いよいよ終盤戦、巨大ヤマメ必死の抵抗!

※AI動画のキャプチャ

※AI動画のキャプチャ

※AI動画のキャプチャ

※AI動画のキャプチャ
主人公・浄渓も必死!
カメラが浄渓の背後をオービット撮影をする渾身のカメラワーク!
太陽フレアも出現させ、まるで映画さながら……。
しかし怪魚である……。

※AI動画のキャプチャ

※AI動画のキャプチャ

※AI動画のキャプチャ
ついに力尽きる巨大ヤマメ……。

※AI動画のキャプチャ
そして感動のランディングシーン……。

※AI動画のキャプチャ

※AI動画のキャプチャ
激闘の果てにキャッチした40cmオーバーの巨大ヤマメ、これはデカい!
感動やね……。

※AI動画のキャプチャ
あれ?

※AI動画のキャプチャ
と、ここで現実に戻る。まぁ実際はこんなもん(笑)。

※実動画のキャプチャ
そんな感じで、ショボい釣行を鬼補正すべくAIと戯れたたが、まぁこれはこれで良い経験になったと思う。
しかし、いつかはあんな巨大魚を釣ってみたいもんだなぁ〜。

※実動画のキャプチャ
それではまた次回♪
執筆者のプロフィール

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埼玉在住
奥多摩や奥只見を中心にルアーフィッシングを楽しんでます。テレスコロッドを片手に山深い沢を遡行するのですが、どうも最近、足の筋肉の衰えを感じ始め、釣り後に激しい筋肉痛に苛まれる今日この頃・・・
釣りに行かない休日はもっぱらメダカのお世話という寂しいアラフィフです(^O^)
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