今回はカメラ&写真がテーマです。
このテーマは……、ある程度、俺の知識でいけるのですよね。
というのも、俺の本職は出版の編集&ライターで、以前、写真雑誌の雇われ編集長を務めていましたから。
SNS全盛の時代、釣りあげた魚やツーリング先で出会った素敵な景色をより素敵な写真で撮りたいと思いません?
でも「スマホだと、どうもありきたりの写真しか撮れなくて……」という方も多いのでは?
そこで、今回はアングラー&ライダーに向けて(内容的にはどなたにも……ですが、本サイトは「釣りとバイクが趣味なんだ。」なので)、カメラ&写真の「基本中の基」を紹介します。
アウトドアにおすすめはコンデジ~カメラの種類~
まずは写真を撮るための機材、カメラの説明から。
現在(2021年10月現在)、一般的な写真を撮るためのカメラは大きくは次の5種類にわけられます。
①フィルムカメラ(銀塩カメラ)
②デジタル一眼レフカメラ
③ミラーレス一眼レフカメラ
④コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)
⑤スマホ
いや、この区分はそもそもカテゴリーが違う言葉を並列に扱っていて、じつは微妙なのですが、ユーザー目線ではもっともわかりやすいと思うので、このようにしました。では、それぞれについて見てみましょ。
①フィルムカメラ(銀塩カメラ)
文字通りフィルムを使用するカメラです。今は売られているフィルムの種類もすごく限られていて、時代はすっかりデジタルカメラなのですが、その一方で、根強いファンがいることも事実です。ヒッソリと、しかし確実に息をしているという感じですかね。ただ、釣りやバイクのおともとしては個人的には推奨しないので、本記事ではこれ以上は触れません。
②デジタル一眼レフカメラ
一眼レフカメラの「一眼」とは、撮影するレンズ(眼)と光学ファインダー用のレンズ(眼)が一つ(つまり同じ)であるという意味だそう。また、「レフ」とは「光を反射する」という意味の「レフレックス(reflex)」の略とのこと(ニコンの公式サイトより)。まぁ、レフは鏡です。厳密にはフィルムとデジタルがありますが、最近は圧倒的にデジタルです。レンズを交換でき、いろいろな設定が可能で、より思い通りの写真を撮ることができます。そして、忘れてはいけない特長は、ファインダー(覗き口)で見る画像と同じ画像を撮れること。ほら、以前、流行した使い捨てカメラを思い出すとわかるように、小さいカメラはレンズとファインダーの位置がずれていて、結果、現場でファインダーからのぞいていたのと撮った写真の仕上がりが微妙にずれるのですよね。このようにいくつものメリットがありますが、高価で、大きい(重い)です。
例えばこちら↓
③ミラーレス一眼レフカメラ
デジタル一眼レフカメラと同様にレンズ交換が可能で高性能。技術の発達により「一眼レフカメラのなかのレフ(鏡)っていらなくね?」となり、開発されたカメラです。んじゃ、「ファイダーと実写真のズレはどうするんじゃ?」という疑問が湧きますが、これはファインダーに電子処理された画像を写すことで解消。時代の流れでフィルムカメラからデジタルカメラに移行したように、主流はこれから一眼レフカメラからミラーレスカメラとなっていくのでしょうな(多分)。
例えばこちら↓
④コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)
言葉のとおり、コンパクトなデジタルカメラです。厳密な定義ではないのですが、一般的にはレンズを交換できないものを指します。まぁ、もともとミラーは内蔵されていないので、その意味ではミラーレスともいえますが……。
例えばこちら↓
⑤スマホ
あえて触れる必要はないかもしれませんが、写真を写す機器としてもっとも普及していますから。最近のスマホに内蔵されているカメラは本当に優秀で、俺が取材したことがあるプロのカメラマンのなかには「プロの仕事で使うものとしても、ちょっとした写真ならスマホで十分」という方もいらっしゃいました。
よく聞く露出ってなんぞ?~写真の基本~
カメラに続いては写真の基本です。
本記事では「これを知っておくと撮影に役立つぞ」という情報に絞ってお届けします。
まず、写真は光が大切です。
「写真は光と影の芸術」という言葉もあるほどで。
写真には光が必要で、光をフィルムカメラならフィルム、デジカメならイメージセンサー(撮像素子)という部分に当てて写し取っているとお考えを。
んで、きれいな写真は光の量がちょうどよいときに撮ることができます。
これは、昔からコップと水に例えられていて、この例えでは水が光(の量)です。水(光の量)がちょうどよいのは、コップに足りないことも、あふれることもなく水が注がれた状態。それに対して水(光の量)が少ないと写真は暗く、反対に多いと明るすぎる仕上がりとなります。
この水(光の量)を調整することを写真の世界では「露出」といいます。
よく耳にする「適正露出」とは光の量がちょうどよいことっすな。
んで、ちょっとかっこつけていうと、光の量が足りないことをアンダー、多すぎることをオーバーといいます。
露出をどのように調整するかというと、撮る人が設定できるのは「絞り値」と「シャッタースピード」です。
カメラには絞りという装置が内蔵されています。その絞りはどのようなものかというと、カメラの内部には光を通す穴があり、その穴の大きさを調整するものです。
その穴の大きさを示す値が絞り値です。これはF1.6やらF3.2など「F+数字」で表すのですが、ややこしいことにその数字が大きいほど光を通す穴の大きさは小さくなります。F1.6よりF3.2のほうが穴が小さいということっすな。
一方、シャッタースピードはフィルムやイメージセンサーに光を当てる時間のことです。単位もわかりやすく【秒】。例えばシャッタースピードが1/32秒といえば、そのまま1/32秒間、フィルムやイメージセンサーに光を当てることになります。
この絞り値とシャッタースピードには一定の関係があって、適正露出で撮影するためには、絞り値を大きくしたら(穴を小さくしたら)、シャッタースピードを遅くしなくてはいけません。
はい、ここで先ほどのコップと水を思い出しましょう。
絞り値を大きくする(穴を小さくする)ということは蛇口を締め気味にして出てくる水の量を少なくするということです。すると当然、コップの水がちょうどいっぱいになるには時間がかかるので、そのぶん水を出している時間(写真の場合はシャッタースピード)を長くしなくてはいけないということです。
ややこしいのですが、これが写真の仕上がりに関わる大事なところなので、できればご理解を。
んで、ここからが実践的な基礎知識です。
絞り値を大きくする(穴を小さくする)と「被写界深度」が深くなり、反対に絞り値を小さくする(穴を大きくする)と被写界深度が浅くなります。
また出た知らない言葉……。
被写界深度とはピントが合う前後の幅のことで、被写界深度が深いとはピントが合う範囲が広いということです。
ほら、例えば食べ物の写真って後ろがボケていると、なんとなく本格的な写真の感じがするじゃないですか。
そのような写真を撮るには絞り値を小さくすれば(穴を大きくすれば)よいのです。
ちなみに背景のボケ味を楽しみたければ、メインの被写体と背景の距離が離れている必要があります。
一方、シャッタースピードはまず「ブレ」が関係します。
カメラは撮影するときに固定していないと、写真がブレてしまうのですが、絞りを開けている時間が長いと、そのぶん固定していなければいけないですからね。
あと、水の流れなど、動きがあるものの表現が異なり、シャッタースピードが速いと水しぶきが止まり、遅いと流れとして写ります。
水以外だと夜のバイクの光を線で表現したいときなどにもシャッタースピードを遅くするとよいっすね。注意点としてはシャッタースピードを遅くする場合はブレないように三脚があったほうがよいということです。
ちなみに基本的に適切な絞り値とシャッタースピードの組み合わせはカメラがオートで設定してくれます(昔は撮影者が設定していたのですけね)。ただ、それだと同じような写真しか撮れません。そこで、その値を自分で設定すると、より自分の撮影意図に応じた写真を撮ることができます。便利な世の中で、今のカメラはほぼほぼすべて、どちらかを設定すると、もう一方はオートで決めてくれます。
これはスマホでもできるのですが、ちと面倒だったりして。
いや、実際問題、皆さん、スマホで露出設定(絞り値やシャッタースピードを自分で設定すること)をしたことあります?
これが俺がコンデジをおすすめする理由の一つでもあります。
三分割構図を覚えよう~実践の基礎知識~
さぁ、ここからますます実践寄りになっていきまっせ。
よい写真を撮るために知っておきたいことをキーワード別にまとめます。
【ピント】
これは、言葉としては説明不要でしょう。撮りたいものをシャープに(くっきりと)写す。これは基本中の基本ですね。最近のカメラはほぼオートでピントを合わせてくれるので、テクニック的にはまず問題ないでしょう。うん、今やピントはオートでよい、いや、オートがよいですよね。
ただ、難しいのが釣りで釣った魚を写す場合。
とくに小さい魚にピントを合わすのは難しい(俺自身、まず失敗します)。魚に触れてよいなら、やりようもあるのですが、リリース前提で極力触れたくない場合は……。ピントはレンズと被写体の距離の問題なので、魚のすぐ近くに手を置いてピントを合わせ、その後、素早く手をどかして(ピントの合った状態を維持して)撮るという手はあるのでしょうが、やはりまぁ難しい。
【露出】
もう説明したので割愛しますが(前項参照)、写真の仕上がりを左右する重要な要素なので二度言いました。
【構図】
簡単な言葉なのですが、意味するものは多岐に渡ります。
例えば、どれくらいの範囲を写しとるのかも構図ですし、どこにカメラを構えるか(俯瞰や下からのあおりなど)も構図。それにどこに主役を配置するのかも構図です。
いろいろな考え方があるのですが、ここでは本当に基本中の基本の二つを紹介します。
・日の丸構図
メインの被写体を日の丸のように画面の中央に配置する構図です。風景写真の写真コンテストなどでは審査員の方から「単純すぎる」と評価されてしまうこともありますが、基本中の基本で、決して悪くはありません。
・三分割法
画面を縦と横に三分割して、その交差する点や線上にメインとなる被写体を配置する構図です。シンプルでわかりやすい考え方でこちらも覚えておきたい構図です。
【手ブレ・被写体ブレ】
ブレには大きくわけて2種類あります。「手ブレ(カメラブレ)」と「被写体ブレ」です。撮影中(フィルムやイメージセンサーに光を当てている最中)に、手ブレはカメラを持っている自分が動いてしまうこと、被写体ブレは被写体が動いてしまうことによって、ブレてしまいます。とくにシャッタースピードが遅いときに注意が必要です(それだけ長い間、フィルムやイメージセンサーに光を当てることになるので)。
手ブレはカメラをしっかりと固定するのが基本で一眼レフの場合は脇を閉じてしっかりとカメラを持ちます。壁でもテーブルでもなんでもよいので、ヒジをつくなどして固定のために利用できるものがあればなんでも利用しましょう。
【日中シンクロ】
カメラは「光と影の芸術」なだけに、光源がどこにあるのかが重要です。日中の屋外なら太陽の位置ですな。状況的にしょうがないということは多々あるのですが、ここで一つお伝えしたいのが「逆光は悪くない」です。
あ、逆光とは文字通り光源に向かってカメラを構えた状態(反対に光源を背にカメラを構えるのを順光といいます)で、よく「逆光だから撮影には適さない」と思われがちなのですが、じつは逆光のほうがよい写真を撮れるシチュエーションは少なくない。
とくに人物撮影では逆光でフラッシュをたくテクニックを「日中シンクロ」といって、よい写真のための常套手段です。あとは、レフ板があれば(普通はないでしょうが)、それで顔などに光を当てるのもよいのですけどね。
いずれにせよ、撮影時には光源を意識することも大切です。
写真こだわると楽しみが増えます!~まとめ~
本記事のまとめです。
本サイトで俺がよくいうように相変わらず個人の用途や予算に応じて選べばよいというのは大前提ですが、アングラー&ライダー目線でいうと、コンデジのアウトドア対応タイプが断然よいと思っています。
いや、スマホでも十分といえば十分で、俺は仕事の都合で最近は常にコンデジを携行しているのですが、パチスロのレア演出の写真は間違いなくスマホで撮影しますもの。
ただ、逆にいうと、スマホはそんな感じ。メモ写真のようにしか、俺は使わないです。
まず、釣りの場合は現場ですぐに取り出せるようにしておくのが面倒くさい。スマホを落としたり、水没したりするのが嫌なので、ビニールに入れて使わない体(てい)で収納していますから。それとエサを触った手でスマホを操作したくない。「コンデジならいいのか?」と思う方もいらっしゃるでしょうが、俺はいいのですよね。防水性なので洗えばOK(まぁスマホも防水性なので結局は気持ちの問題です)。
ライダー目線でいうなら、コンデジのよいところは、気持ちを切り替えて、「ああ撮ろう」「こう撮ろう」と撮影自体を楽しめることです。
露出の設定をスムーズにできたり、サクッとフラッシュをたけたりしますしね。
最近はスマホと同期できるので、コンデジで撮った写真を転送してツイッターにアップなどもできます。
もちろん、一眼でもよいのですが、やはり大きさがね……。
んで、俺はオリンパスのTG-05(現行はTG-06)を使っています。購入するときは、「ちとお高いなぁ」と迷いましたが、今となっては買って大正解でした。日々活躍しとります。
ま、繰り返しになりますが、そこはほんと好みや用途や使用頻度によりますが……。
オリンパスTG-06はこちら↓
カメラで写真を撮ると趣味が一つ増える感覚といえば、魅力が伝わるかなぁ。
あとはすでにコンデジなり、一眼なりを所有していて「もっと素敵な写真を撮れるようになりたい」と思っている方は、よい写真を見て感受性を養うことや撮り方を参考にするのもよい手段かと。そうそう、本サイトでは「カメラ×キャンプ×バイク」の3つがキーワードの人気クリエイター・茅ケ崎みなみさんに写真の撮り方をナビゲートいただいたので、よければそちらもご参照を(リンクはこちら)。
以上です。
でわでわ~。
投稿者/管理人