【ホンダ】カブ未体験者の「スーパーカブ110」&「ハンターカブ」レビュー

更新日:

今回は俺が書く記事としては珍しく、バイクの車種レビューです。
車種はホンダの「CT125ハンターカブ」と「スーパーカブ110」で、スーパーカブ110はピンクが個性的な『天気の子』Ver.です。
あ、俺はものぐさライダーなので、もっとちゃんとバイクに向き合っているライダーのレビューを知りたい方は本サイト内コラム「lancerのワイ流なんでもレビュー」の「【ホンダ】ハンターカブ&スーパーカブ110&PCX150【まとめてレビュー】」をご参照ください。
あと、本記事には関連動画があります。

前置きが終わったところで、これまでカブに乗ったことがない俺の印象は……。
それでは~、いってみま~しょう!

カブに憧れて…~個人的なカブ観~

まずは、俺の個人的なカブ観から。
んなことより、「カブの印象を知りたい」という方は目次から次の項目に飛んでくだされ。

先日、地元のたこ焼き屋さんで愛車のカワサキ・DトラッカーXを停めてテイクアウトの品が焼き上がるのを待っていたときのこと。
同じくたこ焼きの焼き上がりを待っていたハーレー乗りの方が話しかけてきたのです。
相手「(DトラッカーXを指さして)あれは何㏄なんですか?」
ぬ? バイク乗りなのにDトラッカーXを知らないとな⁉ よくバイクに乗らない方から聞かれる質問を受けて、ちょっと意外に思いつつ返事をしました。
俺「クォーターですよ」
相手「え? それって何です?」

クォーターは直訳すると4分の1。250㏄は1ℓの1/4なので、そう表現します。バイク乗りで、そのことを知らない人もいるんすなぁ。
俺「あ、250㏄のことです。ちなみに、そのハーレーの車種は?」
相手「これは〇〇〇〇です。国内では珍しいのですよ」

知らんがな!(←DトラッカーXを知らないことへのお返し……ではないですし、実際は口には出していませんよ)。
いや、別に険悪な雰囲気ではなく、普通にバイク乗り同士の和やかな会話でしたよ。
これは珍しいケースではなくて、たまにあることです。
俺が思うに、ハーレー乗りは、バイクではなくハーレーに乗りたいのだと。
一方、俺のようにハーレーに興味がない人はまったくハーレーのことを知らない。俺が唯一知っているのは映画『ターミネーター2』で有名になったファットボーイだけです。
まぁ、極論ですが、そういうこともあると。

んで、今回のカブです。
皆さまはカブにどのような印象をお持ちでしょうか?
「郵便や新聞の配達に使う働くバイクでしょ?」と思っている人もいません?
じつは学生時代の俺もそうでしたし……。

その価値観が変わったのは、ある床屋さんで髪を切ってもらったときの会話がきっかけでした。
もう、かなり昔の話ですけどね。
俺は床屋は毎回、バイクでブラブラ走って、出かけた先の知らないところに行くのですが、あるとき、なんかかっこいいバイクが店頭に停めてあって、「お、今回はここにするか」と店の扉を開けたのでした。
話を聞くと、その店頭のバイクは店主さんの所有車だそう。
車種を伺うと、それがスーパーカブだったのです。
もう、すんごいカリカリチューンで、ボアアップやら足回りの調整やらがしてあって、外見も一見ではカブとわからないくらいの車両でした。
その方いわく、「これは速いですよ。車重が軽いこともあって峠では普通にレーサーレプリカとよい勝負をしますから」
カブ仲間もたくさんいるとのことで、俺はその車両を見て、そしてオーナーの話を聞いて、カブの見方が変わったのです。
カブって、かっこいい!

それに最近は女性でもカブに乗って、とことこツーリングを楽しむ方が増えていますものね(たとえば本サイトではホームページが大人気のこばんさんを紹介しています。その記事はこちら)。
あとは度々、漫画やアニメにも登場していて、最近ではTVアニメ『スーパーカブ』(2021年4~6月)が話題となりました。

いつかは俺もカブに乗ってみたい。だが、買うほどではない(←カブ乗りの方、ごめんなさい)。
そう思っていたところ、昨年(2020年)からホンダがバイクレンタルサービスを開始して、そのラインナップにスーパーカブ110がエントリーしていました。
これは試すっきゃない!
というわけで、今回にいたったわけです。

バイクに乗って筋肉痛…~スーパーカブ110レビュー~<

そして、今回、借りたのはこちらです↓

スーパーカブ110の『天気の子』Ver.です。
この個性的な色がよかった。これは映画『天気の子』に出てくる車両をモチーフにしたもので、映画を観ると確かに乗りたくなりますものね。
ナイスコラボ!
通常のスーパーカブ110との違いはカラーだけだそうな。
公式サイトを見ればよいのですが、本記事だけで完結するように以下に基本的な諸元も記しておきます。

スーパーカブ110『天気の子』ver.
・総排気量/109cc
・車両重量/99kg
・シート高/735mm
・乗車人数/2人
・エンジン/空冷4ストロークOHC単気筒
・最高出力/5.9kw(8.0PS)/7500rpm
・最大トルク/8.5N・m(0.87kgf・m)/5500rpm
・燃料タンク容量/4.3ℓ
・変速機構/常時噛合式4段リターン
・燃費/62.0km/L(2名乗車時)

では出発です。
このスーパーカブ、これまでカブに乗ったことがないバイク乗りにしてみると、あるものがなくて、ないものがあります。
「あるものがない」はクラッチレバーです。

クラッチレバーがない!

「ないものがある」はシフトペダルのペダルを上げてシフトを上げるというシフトチェンジの方法です。

前後にペダルがある独自のクラッチペダル。ロータリー式、あるいはシーソー式といいます

カブはシフトアップはシフトペダルの前側を踏み、シフトダウンは後ろ側のペダルを踏むんすね。あと、4速からニュートラルには停車時のみ前側を踏んで入れることができます。

こういうことっす

カブに乗るのが初めての俺には、この二つにかなり苦戦しました。
まず、シフトペダル。
俺は前のペダルにはつま先、後ろのペダルにはかかとをのせて乗るもんだと思っていました。だって、それが一番効率がよいじゃないですか。
それが……そうすると、どうにも落ち着かないのです。前後のペダルが中央のステップより少し浮いている感じで、不意にシフトチェンジしてしまうのですね。
これは正解ではなさそう……。

この日は友人に同行してもらったのですが、後ろから見ていても、明らかにシフトチェンジがアタフタだったのでしょう。「中央のステップのもう少し外側に足をのせたら、前後のペダルに干渉しなくて楽そうだよ」とアドバイスしてくれました。
さっそく、試したところ、なるほど、これで断然楽になりました。

ただ、俺はスクーターにも乗らないので、足はできるだけエンジン寄りに置くクセがついているんすね。
「ニーグリップと同じようにフットグリップも大事」といわれたことがありますし、「つま先を開いて乗るのはカッコ悪い」とされていた時代のバイク乗りですから(今はどうだが知りませんが……)。
なので、気を抜くと足を中央のステップのエンジン寄りに置いてしまい、意図しないシフトチェンジをしないように力を入れる必要がある……。
結果、翌日には左足の太ももだけが筋肉痛になるという謎の現象が起きました。

このシフトペダルへの足の置き方、バイクの返却時にホンダ・ドリームのスタッフの方に伺ったところ、中央のステップに土踏まずのあたり、前のペダルにつま先のあたりを置くのはそうなのですが、後ろのペダルにはカカトをのせない(つまり、俺が最初にしていたのより少し前に置く)のが主流だそう。

では、後ろのペダルを使ったシフトチェンジ(シフトダウン)はどうするのかというと、足を移動してつま先のあたりで押すカブ乗りが多いとのこと。決まりはないので、別にかかと付近で踏んでもよいのですが……。
これは、慣れが必要だぁ。

慣れが必要といえば、シフトペダルに対する足の置き方だけではなく、シフトチェンジ自体も苦戦しました。
シフトアップはまだよいのですが(それでもかなりギクシャクでしたが)、普段のクセでエンジンブレーキを効かせようと走行中にシフトダウンするとガクンとなります。
結果、俺のなかでは「カブでシフトダウンするのは停車してからのみ」という結論になりました(←あくまでも俺理論です)。

それと……このインパネをご覧あれ↓

基本、ガソリン残量計とスピードメーターだけです

俺はシンプルなのが好きなので飾り気がないのはとてもよいのですが、ギア操作が必要なら、タコメーター(エンジンの回転計)をつけてくれと。あと、今のギアを示すインジケーターも!
ほんと、この二つがないので、走行中に混乱してしまいます。
なもんで、やはりカブは「スムーズにギアを上げたら、あとはトップギアの4速で走り続けるべし」と強く思ったものでした。

かなり無理はありますが、なんなら4速発進もできますしね(あれは3速だったかも。いずれにせよ、1~2速ではなかったです)。

走りについては俺が思い描いたほどのトコトコ感はなかったです。これはエンジン&排気音的にですが、やはり、街中でよく耳にする新聞や郵便配達の音という感じでしたね(マフラーが純正ですし)。

と、ここまでは気になることが中心になりましたが、カブにはもちろん、よい点もたくさんあります。
例えば燃費。これは本当に秀逸でっせ。正確には測定していませんでしたが(ごめんなさい)、この日は多分、40㎞くらいは走って、満タン返しのときの給油量は0.9ℓでした。
あとは、推測になってしまいますが、もともとが「働くバイク」ということで、頑丈で耐久性が高いのでしょうな。平気で10年は乗れるのではないでしょうか(いや、俺がそう思うだけですが)。
それと、カスタムパーツの豊富さ。自分好みに仕上げることができると。

そうです。気がつきましたか?
カブの魅力は1日乗っただけではわからんのですわ。
カブ道、奥深いっすな。

俺が求めていたのは、このトコトコ感だ!~ハンターカブ~

続いてはこちら↓

これは個性的!

CT125ハンターカブです。諸元を紹介しておきますな。
CT125スーパーカブ
・総排気量/124cc
・車両重量/120kg
・シート高/800mm
・乗車人数/2人
・エンジン/空冷4ストロークOHC単気筒
・最高出力/6.5kw(8.8PS)/7000rpm
・最大トルク/11N・m(1.1kgf・m)/4500rpm
・燃料タンク容量/5.3ℓ
・変速機構/常時噛合式4段リターン
・燃費/61.0km/L(2名乗車時)

こちらは基本的には本サイトで連載をお願いしているLancerさんが借りました。
いや、本当はスーパーカブ110『天気の子』Ver.と比較しようと思ったのですが、実物のパッと見で俺は「こりゃ比較は意味がないな…」と悟りました。
だって、見た目からまったくの別物ですもの。

インパネもデジタルですしね

排気量の違いがありますが、性能でもこちらのほうがパワフル。
あと、エンジン音(マフラー音)もまったく異なり、こちらはシングルらしいドッドッというトコトコ感があります。

ホンダの公式サイトをみると「ハンターカブはスーパーカブをベースに……」とありますが、その違いはどこをベースにしたのか俺のような素人にはわからないほど。
いや、俺のDトラッカーXはもともとはオフ車のKLX250がベースで、足回りとエンジン特性を街乗りにしたものなのですが、そのDトラッカーXとKLX250の違いくらいの、そこまでは大きくないものと思っていたので……。

ちょっとだけ走ってみましたが、シフトチェンジも、こちらのほうがはるかにスムーズ。
うん、これはよいバイクだぁ!

ただ、ただですよ。
やはり、シフトペダルのロータリー式に馴染めない……。これが普通のシフトなら乗っていて本当に楽しいだろうな…と思ったものです。
見た目と性能、それに積載性などから釣りにもベストマッチと思うのですけどね……。

このリアキャリアの贅沢なことよ。タバコと比較してください(笑)

バイクに乗るのではない! カブに乗るのだ!!~スーパーカブ&ハンターカブのまとめ~<

さて、まとめです。
スーパーカブは俺が期待していたほど、快適ではなかったです。
やっぱ、シフトチェンジがなぁ。
俺はロングツーリングでも「左手がつらい」と思ったことはなく、クラッチを握る必要がないことに、そこまで魅力を感じないということも大きい……。

例えばセカンドバイクとして、スーパーカブもしくはハンターカブを検討中の方は、そのことを考慮したほうがよいとは思います。
他のバイクに乗り慣れていると、かなり違和感があり、俺の場合は1日では慣れなかった。しっかりと頭を切り替えられるバイク乗りならよいのでしょうけどね……。

されど、俺のカブへの憧れが完全に消えたわけではありませぬ。
もうね、そこらへんは絶対に慣れのはずで、カブに慣れると「他のバイクってめんどい」と思うのでしょう。
でなければ、これだけの長い期間、これほどの多くの方に愛されているはずがない!

ハーレー乗りが「バイクに乗るのではない! ハーレーに乗るのだ!!」と同じようにカブも「バイクに乗るのではない! カブに乗るのだ!!」という感じなのではないでしょうか(←あくまでも、俺の個人的な表現です)。

1台のバイクを長く乗りたい方、ランニングコストを低く抑えたい方には抜群によいでしょうし、「何よりカブのスタイルが好き」という方には間違いのない買い物だと思います。
そして釣り人目線も加えるなら、スーパーカブより絶対にハンターカブ!(←クロスカブは……わかりませぬ)

以上です。
でわでわ~。

投稿者/管理人

1+

関連コンテンツ



-バイク, 車種レビュー

Copyright© 釣りとバイクが趣味なんだ。 , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.