【観光マップ】完全版! 映画『恋する女たち』のロケ地ガイド【金沢市】

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※本記事の初公開は2023年6月16日です

俺は邦画の『恋する女たち』(監督/大森一樹、主演/斉藤由貴)が大好きでして……。
こちらです↓

今回はその『恋する女たち』のロケ地ガイドです。言葉を換えるなら聖地巡礼ですな。
この作品は石川県金沢市が舞台でして、女子高生の心の機微が美しい情景とともに描かれています。
観た方はきっと「ロケ地を巡りたい」と思うことでしょう。
そのような方のためにほぼロケ地を網羅したかたちでお届けします。
また、ロケ地に選ばれるということは、素敵な場所でもあるので、映画を観ていない方にとっても金沢散策の参考になるはず。
どうぞ、楽しんでいってください♪

これぞ完全版~本記事の背景~

まずは『恋する女たち』のロケ地マップをまとめようと思った背景から。

前提として俺は地域の大きな都市、例えば仙台とか小樽とかが好きなのですね。
普段の生活と違う空気に触れられる気がして。
なかでも金沢はもっとも好きな都市です。

それと映画の『恋する女たち』も好きなのです。
この作品は傑作ではないけれど、佳作であることは間違いない。
「佳作」とは「できばえのよい、優れた作品」のこと。ただ、印象としては最優秀作品などと比べると、ちょっとだけ下の感じがするじゃないですか。
俺はDVDを所有しているのですが、そのなかで、この『恋する女たち』を佳作と表現していて(殊勝のような…)、俺は「うんうん、そうだよな」と納得したものです。
あらためて観る価値があるかというと、そこまではおすすめではないのですが、未鑑賞の方は観ても損はしないのではないか…とは思います。

んで、本記事をまとめようと思ったきっかけです。
それはバイクのイベントのSSTRです。
SSTRは日の出とともに太平洋を臨む任意の地をスタートして、その日の日の入りまでに日本海側のゴールを目指すというイベントです。
そのゴールが石川県の千里浜なぎさドライブウェイなのですね。

俺はこのイベントに参加を決めたときに、金沢市を中心にロケ地巡りをしようと決めました。いや、むしろゴールが金沢の近くだったから参加を決めたぐらい。
ちなみに俺はこれまでにバイクで何度か金沢を訪問したことがあって、ロケ地を巡ったのは…3回目ですかね。
いうて、2回目も、もうかな~り昔、ゆうに10年以上前の話ですが。

そしてSSTRの当日。
俺は参加日を勘違いしていて、友人との待ち合わせのギリギリのタイミングでの出発となりました。

そうそう、『恋する女たち』のDVDはなかなかの優れもので、「金沢ロケ地マップ」も収録されているのです。

DVDのメニュー画面です。ていねいなつくりなのですよね

事前にロケ地巡りのために、その「金沢ロケ地マップ」を見直そうと思っていたのですが、それもできず……。
ただ、さすがネット全盛時代。
スマホでググるといくつか『恋する女たち』のロケ地を紹介しているサイトが見つかりました。
なもんで、今回はそちらをベースにいくつかロケ地を巡りました。
でも、多くは一部だけの紹介なのですね。

そこで、せっかく巡ったので、その記録として。そして、もし『恋する女たち』のロケ地を巡りたいという方がいらっしゃるのであれば、その方のために本記事をまとめようと思ったわけです。
ベースはオフィシャルのDVDで、内容的にはロケ地をほぼ網羅しているかと。
なもんで、「完全版」とつけさせていただきました。

イチオシは「犀星の道」~ロケ地ガイド~

さて、本題のロケ地ガイドです。
ベースとなる『恋する女たち』の公開は1986年12月13日、DVDの発売は2006年11月23日、そして今回、俺が巡ったのが2023年5月26日です。
37年の時を超えた聖地巡礼。変わらないものはあるかというと……。
なお、以下の本文中で「今回」とあるものは2023年5月26日時点でのこと、また赤字となっている施設は映画を観ていない方もきっと楽しめるであろう素敵な場所です。

【金沢市内】


①梅ノ橋

他の映画でも撮影に使用されたことがあるそう。趣きがある、美しい橋です

オープニング近く。多佳子(斉藤由貴)と汀子(相楽晴子)が喪服で渡る橋。2023年現在も当時のままの姿を残していて、今回、俺も渡りました(写真は撮り忘れてもうた……)。ちなみに、この橋は歩行者専用でバイクでは通れません。


②主計町(かずえまち)

俺はこういう町並みが大好きです

物語の前半に登場。汀子宅の飲み屋の外観です(内観はセットだそう)。上の地図だとスケールが大きくでわかりにくいかもしれませんが、文字で記すと浅野川大橋の北西側の浅野川沿い(南側)です。今回、ここは確認しなかったのですが、町並みとしては残っているかと。


③ひがし茶屋街

この建物は『恋する女たち』のロケ地巡りならではですが、ひがし茶屋街自体は観光名所なので、金沢観光でははずせないかと

物語の中心となる場所。多佳子(斉藤由貴)と姉の比呂子(原田貴和子)の住んでいる建物はこちらにあるという設定です。あの2階に登る階段がある建物は10年ぐらい前はあったのですが、今回は確認しなかったぁ。いや、バイクのキーを抜くのを忘れたのに気付いて、早めにひがし茶屋街をあとにしたので……。建物自体は映画の撮影時も観光協会ではなく、ガラス屋さん。それを美術班が観光協会に仕立てたそう。ひがし茶屋街のど真ん中ではなく、少しだけはずれたところにあったと思います(でも完全に徒歩圏内です)。住所でいうなら「東山1-13」あたり(作品内の電柱より/ただ電柱は今はないとのこと)。なお、ひがし茶屋街は有名な観光地で、今もいろいろなお店が営業しています。普通に金沢観光でもはずせない場所ですわな。

今回、ひがし茶屋街で撮影した1枚。舞妓さんが印象的でした


④卯辰山(専光寺東山廟所)

見晴らしがよいところらしいので、こちらも映画を未観賞の方にもよいかと

物語の前半で緑子(高井麻巳子)が十字架を立てる地。ここなぁ。見晴らしがよくて、普通によいところらしいのですが、これまでの俺の金沢行脚から漏れているんす。行きたいなぁ。


⑤金沢城公園周辺

前ボケが美しいカットです

石川門&その前の石川橋は多佳子が橋の上から勝(柳葉敏郎)がふられる現場を目的した場所。橋なので今でもあるんじゃないかな…(俺は未確認です)。ちなみに物語の後半の比呂子の大学のダンスパーティは石川県体育館で撮影したそうで、それはこの金沢城公園にありました。「ありました」という過去形なのは今は取り壊されて、もうないから。


⑥石川県立美術館

こちらの格子上の壁ガラスが印象的な喫茶店は石川県立美術館にありました

このバスを待つシーンも石川県立美術館の前で撮影されたそう

多佳子が絹子(小林聡美)に「美術を勉強しろ」と言われて足を運んだ場所。んで、勝と出会って喫茶店に行くと。石川県立美術館自体は今もあって、今回、俺も足を運びました。ただ、喫茶店は確認しなかったな。確か、改修されたかと……。いやわからんけれど。映画に登場するバス停もこの美術館の前ですが、ベンチは20年前の時点でないっす。

今回、石川県立美術館も訪問しました。こちらはその前のバス停なのですが、ロケ地とは違うかも…


⑦香林坊109(現香林坊東急スクエア)

東急は繁華街のランドマークでもあるようで

物語の中~後半で多佳子が神崎基志(ザキ/菅原加織)と109にちなんで「10時9分」に待ち合わせする場所。今は香林坊東急スクエアとなり、施設としては残っています。ちなみに物語の前半で多佳子と勝が出くわす(アニメのナインとナインハーフで「2分の1足りないのよ」もお洒落)映画館もこのエリアにありましたが、ずいぶん前になくなり、今は「シネマストリート」という通りだけが残っています(当時は映画館街だったそう)。もう一つ、ザキを演じた菅原さん(菅原文太さんの息子さん)は31歳の若さでお亡くなりになったのですよね。俺はショックだったのを覚えています。

2023年現在は香林坊東急スクエアとなっています


⑧尾山神社

神社のそばの商店街ですな

物語の前半で多佳子が喪服で歩くシーンはこの尾山神社の近くで撮影されたそう。いや、このシーンは俺はあんまり印象に残ってないなぁ。

⑨長町武家屋敷跡

こうして見ると、こちらも美しい町並みです

上の「⑧尾山神社」に続くシーンのロケ地だそう。うん、俺は引き続き印象に残っていない。でも、こうしてあらためて見ると、よい町並みですよね。


⑩交差点・片町

このシーンは繁華街にある交差点で撮影されたそう

さらに上の「⑨長町武家屋敷跡」に続くシーンのロケ地。割愛しようかとも思いましたが、完全版を目指しているので紹介しておきます。


⑪犀星の道

本当に美しいシーンで、俺は大好きです

物語の中盤で多佳子と絹子が語りながら歩くシーンのロケ地。俺がこの物語のなかでいちばん印象に残っている場面で、この絵はきっと俺が死ぬまで心に刻まれていることでしょう。本当にきれい。後ろの橋は犀川大橋で、この橋は物語中にたくさん出てきます(多佳子がバスで移動する際の背景として)。犀星の道はもちろん今回も訪問しました。川原の道なの今も残っていますが、当時より路面が整備されていました。

大好きな場所なので今回も、当然、足を運びました。「たそがれ」という言葉が似合います

川のほとりに遊歩道が整備されています。映画のように若者が語らいながら歩いていると素敵なのですが、そのような方は見当たらなかった…。意外と人は少ないです。よい場所なのに


⑫寺町周辺

壁が印象的ですよね

物語の中盤に登場する汀子の恋人の小林博史(中村育二)のアトリエがあるのがこのエリアという設定で、撮影もこの周辺で行われたそう。俺は訪れたことはないのですが、町並みなので、きっと今も残っているのではないかと。


⑬石川県立工業高校

まぁ高校ですわな。俺はこの絵を撮ったカメラの位置が気になります。空撮かしら…

恋する女たちが通っている高校としてのロケ地はこの石川県立工業高校だそう。野球の練習のシーンもこちらで撮影されたとのこと。美術部の部室も食堂も図書室もそうですね。ちなみにこちらは日本で一番古い工業高校なのですって。学校なので部外者は立ち入れませんが、聖地巡礼の完全版を目指しているので、こちらも紹介しておきます。


⑭石川県立野球場

まぁ球場ですな

物語の中盤、野球部の公式戦を観戦するために多佳子とザキが訪れた野球場です。俺は訪れていませんが、今も残っているようです。


【金沢市外】


⑮加賀一の宮駅

趣きがある駅舎なので、映画を未観賞の方もぜひ! 本サイト目線では歴史を感じるバイクもよき…です

この橋は加賀一の宮駅のすぐ近くにあります

ここからは金沢市外です。物語の中盤、多佳子が実家の温泉に帰った際に下りた駅。北陸鉄道石川線の駅で、1987年以前は金名線の終着駅でもあったそう(映画の撮影時も金名線は休線していたとのこと)。北陸鉄道石川線は2009年に鶴来駅以南が廃線となり、同時に加賀一の宮駅も廃駅となりました。ただ、駅舎は改修して残されていて、国の登録有形文化財となっています。すんごく趣きのある駅舎で強く印象に残っている方も多いのでは? 俺もその一人で、今回、訪問しました。また、多佳子の幼馴染のエリナ(渡辺祐子)と一緒に渡る橋はこの加賀一の宮駅のすぐ近くにあります。この橋は改修されて、きれいになっています。

こちらは以前も訪れたことがあるのですが、今回も足を運びました

すでに廃線となっていて、線路が敷かれていた場所はサイクリングロードとなっています

橋はかなりきれいになりました。この1枚は作中とはカメラ位置が違い、橋の反対側から撮影したことになります


⑰まつさき

こちらでは多佳子の入浴シーンも撮影されました

こちらも「多佳子、実家に帰る」シリーズの一つで、実家の温泉旅館「まつさき旅館」のロケ地です。金沢辰口温泉にある宿泊施設で今は「まつさき」という名前で営業しています。もう旅館ではなく大規模な高級ホテルになっています。DVDが発売された時点で、物語に登場する建物は残ってはいましたが、当時のロビーは物置兼通用口となっているなど、大幅な改修が行われていました。そして、今は……俺は行っていないので、その建物が残っているかはわかりません。


⑱千里浜なぎさドライブウェイ

物語の終盤。こちらも美しいシーンです

物語の終盤、緑子を巡るバイクのチキンレース、そして、そのまま迎えた夜明けのシーン(多佳子と緑子が裸足で砂浜を歩くシーン)のロケ地は千里浜なぎさドライブウェイです。「車やバイクで走れる砂浜」として広く知られていて、きっと多くのバイク乗りが訪れたことがあるでしょう。8kmもの距離があるので、それこそバイクか車で訪れるのがよいでしょう。
ちなみに多佳子の下宿先、汀子宅の居酒屋、ザキの部屋などの室内の多くはセット撮影で、美術監督は村木与四郎さんとのこと。村木さんは黒澤映画などの美術監督も務めた人物で、だからセットも素敵なのでしょうね。

千里浜なぎさドライブウェイはSSTRのゴールでもあります


⑲加佐ノ岬

ラストシーンは加佐ノ岬で撮影されました

物語のラストシーンは加佐ノ岬で撮影されたそう。俺は勝手に「東尋坊」かと思っていました。DVDによると3人娘が野点(のだて)をしたところは立ち入り禁止のようですが、周辺の遊歩道からその場所を確認することはできるそう。俺は行ったことがないのですが、加佐ノ岬は景勝地で、とくに日本海に沈む夕日が美しいのですって。ん~これはまた、それを見るために金沢に行かなくてはいけないような……。

レンタル自転車がよいかも~聖地巡礼のコツ~

いかがでしょ? ロケ地をほぼほぼ網羅していて、完全版でしょ(←自画自賛)。映画を関係しない視点で見ても、金沢観光で押さえておきたいのは他には「兼六園」「近江町市場」ぐらいのような……。

俺個人としては聖地巡礼に車は野暮で、風を感じられるバイクや公共交通機関を利用した徒歩をベースとすることをおすすめします。
とくに市街地はバイクでも駐車場探しに苦労するので、レンタル自転車がよいと思います。

大森一樹監督は2022年11月12日にお亡くなりになられました。
人は死を免れませんし、町も変化していくものです。
これから、金沢という町がどのように変化していくのかはわかりませんが、その変化を自分の目で見ることもロケ地巡り、聖地巡礼の楽しみの一つだと思います。
ぜひ、皆様も『恋する女たち』が描いた世界を体感してみてはいかがでしょうか。

でわでわ~。
投稿者/管理人

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