【研究編】目指せうな重!ウナギを釣るためにウナギを科学する【第10回】

【釣り研究釣行記/連載第10回】

どうも、高村燕月です。新型コロナウィルスによる緊急事態宣言も明けて、やっと釣りに行けると思っていたら…梅雨入りによる連日の大雨。

休みになってもなかなか釣りに行けないので、折角の機会ですから今回は、私の宿敵であるウナギを科学的な面から研究することにしました。

私とウナギの初めての戦いについては、過去の記事をご覧ください。

 

 

 

ウナギとはそもそも何者なのか

我々が普段、ウナギと呼んでいるのは「硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区カライワシ下区ウナギ目ウナギ科ウナギ属」という何とも長ったらしい種族の魚でして、イワシなのかウナギなのか、そして何回ウナギと言っているのはもうわからないような状態ですね。

江戸時代から高級料理として有名なうな重の材料となる魚で、黒っぽく細長い形状でぬるぬるしているのが特徴。

夜行性の魚で視力は弱く、アミノ酸の臭いを頼りに餌を探し、捕食します。

実はこのウナギ、比較的近い種族の仲間がいっぱいおりまして、チンアナゴやアミウツボ、ハモなんかが近親種となっています。

 

ウナギの主な生息域とおすすめの釣行期間

 

ウナギは視力が弱いという特性から、水の底に落ちている虫や魚、貝、鳥なんかの死骸も食べています。

泳ぎも得意ではないことから基本的には流れがゆるやかで、かつ餌となる死骸やエビ、カニなどが集積しやすい河口部に住んでいることが多いです。

特に川と川、海と川の合流部分は餌が水底に溜まりやすいので、ウナギが生息している可能性が高くなります。

ウナギは季節を問わず釣れるらしいのですが、基本的には4月~10月。特に、越冬前の食い溜めをする秋の季節は釣れやすいそうです。

夜行性のため夕方から夜にかけての釣りが好ましく、短時間の釣行で済むので、あまり釣りの時間が取れない社会人でもオススメの魚ですね。

 

ウナギは嗅覚がめちゃくちゃ発達している!

 

先の章でも軽く記載しましたが、ウナギは嗅覚に優れています。

その感度は犬を超えるそうで、1万トンの海水の中に1グラムのアミノ酸を垂らしただけでも反応するのだとか。

ウナギのこの嗅覚の強さは釣行の際の大きなヒントとなりそうです。

それにしても、そんなに鼻がいい魚だと、海中で自分や他の魚の体臭が気になってしかたないでしょうね…

 

ウナギを釣るために有効と思われる餌の考察

 

さて!ウナギの特性を簡単に学んでみたところで、もっとも重要な餌の考察に入りましょう。

ウナギ釣りで使われている代表的な餌といえばアオイソメやミミズ、芝エビやアサリなどが多いようです。

ミミズやアオイソメは特に臭いが強いので、対ウナギへの集魚効果は高そうですね。

芝エビやアサリはアミノ酸が豊富なので、アミノ酸の臭いでウナギを引き付けているのでしょう。

じゃあ、結局何が一番ウナギを釣れるんだ!!

ということで色々調べてみたところ、滝井健二さんが発表した学術論文に「ウナギの摂餌促進物質とその配合飼料への応用に関する研究」という素晴らしいものがあったので、そちらを拝読してきました。

私は科学者ではないので難しいところは省きますが、滝井健二さんの論文によれば、ウナギはアサリのエキス、及びイソゴカイエキスに対して強い反応を示したようです。

このことから、ウナギは臭気もそうですが、特定のアミノ酸への執着がとても強いようです。

また、魚は普段から食べている餌を好みます。海と川を行き来しており、更に浅瀬や岩の隙間を好むウナギにとって、アサリやイソゴカイなどは格好の食料なのでしょう。

ウナギは大きな餌でも丸呑みにしてしまうこと。強い顎を持っていることから、小さいアサリは丸呑みしている可能性もありますね。

もちろん他の餌も有効な可能性はありますが、しっかりとしたテスト、研究をされていることを考えれば、ウナギを釣るにはイソゴカイやアサリを使った方がよいようです。

また、ウナギを釣るためには一定量以上のアミノ酸を長く細く垂れ流しにしておく必要があるので、アサリであれば生のものを購入し、むき身にした後に数時間から半日程度干しておくと軽く水分が抜け、餌持ちとアミノ酸の過度な流出が避けられると思われます。

場合によっては、小さいアサリを買ってきて貝殻がついて生きたままのアサリに針を刺す、という方法も有効かもしれません。

イソゴカイについては体液を長時間流出させる必要があるので、チョンがけや通し刺しを行うなどして必要以上の体液が出ないようにするとよいかもしれません。

体液の量が少ないかな?と思ったら一匹ではなく数匹のイソゴカイを房掛けにするのも効果がありそうです。

 

待ってろ梅雨明け!必ずウナギを釣ってやる!

 

今回、ザックリとした素人調べにはなりましたが、この記事を作成したおかげで、私もウナギについて多少は詳しくなったような気がします。

ウナギを釣るために重要なことは

 

・シーズンは4~10月

・生息域は河口部で、餌が水中に集積しやすいところ

・釣行時間帯は夕方~夜

・餌はアサリやイソゴカイ

 

以上の4つのポイントなので、次回は上記のポイントを守りつつ、ウナギの釣行に挑みたいと思います。

もし雨で釣行できなかった場合は、ウナギ釣りに適した釣り場について考察しようかなとも考えています。

まだまだ未熟な私ですが、「こうすれば釣れるよ!」「この釣り場オススメだよ!」という情報、アドバイスなどございましたら、お気軽にTwitterからご連絡ください。

執筆者のプロフィール

高村 燕月
高村 燕月
釣りと筋トレが趣味のライター、作家。釣行範囲は東京~神奈川。11連続ボウズという荒行を経て魚に関する本を読み漁った結果、知識だけ異様に偏っている。一般的な釣りよりも実験的な釣りを好む。Twitter、やってます。
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