【釣り】イワナもコイも外来種!? 釣り人なら知っておきたい外来種の基礎知識!!

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今回のテーマは「外来種」です。
きっかけは先日(2024年4月18日)に私たち日本人のルーツについて「日本人の祖先、3系統か」というニュースが報道されたからです。
外来種が問題になっていますが、俺は「いやいや日本人も外来種じゃない?」と思うことがありまして……。
ということで、今回は本サイトらしく釣りの対象である魚について、外来種の問題を掘り下げていきます。

「外来種=悪」という発想の危険性~外来種問題の問題点~

まずは、そもそも論で「外来種とは何か?」から。
これはシンプルに外から来た種のことで、環境省の公式サイトには「もともといなかった地域に、つれてこられたり、やってきた生き物」と説明されています。

そういうと「いつから?」とは定義されていないので、やはり広いくくりでいうと、日本人(ここでは法律上の問題は抜きとします)ですら、外来種ということになります。

ただ、人間は身勝手な生き物で、自分たちの都合に合わせた解釈をします。
「外来生物法」という法律があって、そこでは「明治時代以降に日本に導入された生物種」と定義されています。

※参考サイト/ヤフーニュース
スズメもネコジャラシも大陸からやってきた 外来か在来種かはどう決める?

外来種の何が問題かというと、在来種(もともとその場所で生活していた在来の種)との間で競争が起こり、環境が変化するから。
人間目線でいうと、次のような問題が生じます。
・生態系への影響/在来種が外来種によって駆逐され、生態系が変化する
・人の生命・身体への影響/外来種のなかには毒をもっているものもいる
・農林水産業への影響/田畑があらされる

※参考サイト/環境省
侵略的な外来種

往々にしてメディアでは「外来種=悪」とされています。
ただ、俺は「その風潮はちょっと危険だな」というスタンスです。

その理由の一つは物事をとらえるスケール(ものさし)の問題です。
外来種の問題では、だいたい小さなスケールで考えているのですよね。
地球上ではじめて生命が誕生したのは約35億年前とされています。人類の祖先が誕生したのは約500万年前だそうな。

一方、先に紹介したように「外来生物法」では外来種は「明治時代以降に日本に導入された生物種」と定められています。明治時代は1868年からですが、ここはもうかなりざっくりと最近の約200年とします。
35億年の歴史があるものに対して、200年のことで考えようとしているということです。

え~と人間の寿命はこれまたざっくりと80歳として、地球上の生命の歴史に対する200年を人間の寿命で考えると、だいたい3時間ぐらいです(俺の計算が間違っていなければ)。
長い人生(80歳)のなかの3時間の変化だけで、ああだ、こうだと考えているのですよね。
普通、突発的なものを除いては、自分の健康状態のことを考える際には「先週から調子がよくなくて……」「若い頃はこうだったのに……」とある程度のスパンと比較するのに、数時間のことしか鑑みていない……。

地球の環境のことを考えるなら、もっと大きなスケールの視点でもとらえたほうがよいのに、メディアはそれを取り上げない。
そこが一つの問題です。
ちなみに俺のこの視点は、仕事で鎌田浩毅先生(地球科学者/京都大学名誉教授)の書籍を手伝ったときに、「なるほどなぁ」と思った内容がベースとなっています。

そして、何より「外来種=悪」と短絡的に決めつけるのは、尊い命の軽視につながるのではないかと。
「トンボだって カエルだってミツバチだってみんな みんな生きているんだ友だちなんだ♪」であるなら、外来種のブラックバスだって生きていますからね。

誤解していただきたくないのは俺は「外来種だって生きているんだから無条件で大切にしよう」と主張したいわけではないということです。
法律もありますし、当然のことながらそれは遵守しなければいけませんしね。
ただ、法律外のことは個々人がしっかりと判断したほうがよく、そのためにはいろいろな情報を知っておきたいということです。

じつはコイもイワナも外来種~釣り魚の外来種~

んで、このパートが本記事のメインで、具体的な外来種の紹介です。
本サイトは「釣りとバイクが趣味なんだ。」なので、ここでは釣れる魚の外来種が対象です。

まず、基本的には淡水に棲む魚です。
海は世界とつながっているので、「もともといなかった地域に、つれてこられたり、やってきた生き物」という外来種の定義に沿うのが難しいのですよね。

では、いきましょう。

【海外からの外来種】
ブラックバス

釣れる魚の外来種としては筆頭格ですかね。1925年にアメリカから芦ノ湖(芦ノ湖)に放流されたのが最初とされています。

ブルーギル


俺の印象ではブラックバスよりも多くて、今やどこにでもいるような……。1960年代に当時の皇太子であった明仁上皇がアメリカのシカゴ市長から寄贈され、日本に持ち帰ったのが最初といわれいます。

ライギョ

ライギョは総称で、具体的な種としてはカムルチーとタイワンドジョウとコウタイがいます。1923年頃に朝鮮半島から奈良県に持ち込まれ、以後全国に持ち出されたそうです。

コクレン&ハクレン

こちらはハクレンです

まとめて「レンギョ」とも呼ばれる、大型の淡水魚。1878年に最初に持ち込まれ、1942年に本格的に移入されたそう。

ソウギョ

ハクレン&コクレンと同様に、とても大きく成長する淡水魚。1943~45年に中国の長江から利根川水系に持ち込まれたものから定着が始まったそう。

ニジマス

湖や沼、川の下流域で釣れる外来種の代表格がブラックバスなら、川の上流域で釣れる外来種の代表格がニジマスでしょうね。1877年にアメリカのカリフォルニア州から日本に初めて持ち込まれたそうです。

タイリクバラタナゴ

きれいなタナゴのこちらの種も外来種です。1940年代に食用として持ち込まれたハクレンの種苗に混入して関東地方に放流され、今では日本国内に広く定着しているとのこと。

【国内にいた種の外来種】
※国内にいる種でも、もともとはその地域にいなくて、人に手によって運ばれたものは外来種とされます。

コイ

あまりにたくましい生命力で、いろいろな淡水で見かけます。外来種問題を考える際には歴史的にやっかいな存在で、琵琶湖や四万十川などのごく一部の場所では在来種、それ以外は外来種と考えられてます。明治時代以降には海外産のコイも各地に放流されたとのことで、もう、わけがわからん種です

イワナ

渓流で釣れるイワナも外来種問題では扱いが難しいのですよね。釣りの対象として人気で、地域によっては人の手で放流されていて、そのようなケースでは外来種となります。

ワカサギ

ワカサギの本来の生息地は比較的、寒いエリアで、現在もしくはかつて海と繋がっている場所(本来は海と湖を行き来する魚)。ワカサギ釣りで有名な富士五湖や諏訪湖、なんなら檜原湖でも外来種となるそう。

以上、釣れる魚で、ポピュラーな種を紹介しました。
今回は大阪還農水研のサイトを参考にさせていただきましたが、他には海外由来ではグッピーやナイルテラピア(定着しているんかい!)、国内由来ではヌマチチブ(あら意外)も外来種だそうです。

ブラックバスのリリースは違法?~外来種の豆知識~

本記事の最後の項目は外来種の豆知識です。
一つ目は現在、国内の法律では外来種は「特定外来生物」と区分されれるものがいて、それは「外来生物(海外起源の外来種)のうち、生態系や人の生命・身体、農林水産業に被害を及ぼすもの、または及ぼすおそれがあるものの中から指定された生物」とされています。
特定外来生物は許可なく野外に放ったり、植えたり、まいたりした場合には、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはその両方の刑が科されます。

※参考サイト/ベリーベリー法律事務所大宮オフィス
特定外来生物とは? 規制する法律と違反したときの罰則など疑問解決

魚類ではブラックバス(オオクチバス&コクチバス)やブルーギルなどが「特定外来生物」に指定されています(どのような種が「特定外来生物」に指定されているのかが気になる方は環境省の公式サイト「日本の外来種対策」にてご確認を)。

では、釣ったブラックバスをそこでリリースするのは違法かというと、これは違法ではありません
禁止されているのは飼育、運搬、売買、放流で、そのうち、いちばん怪しい放流は、そこにいなかった個体を放つ行為ですから。ただ、飼育と運搬は禁止されているので、違反しないように気をつけましょう。

あとは、釣れる魚からは離れますが、縁日のカメすくいでもお馴染みのミドリガメ、ザリガニ釣りで人気のアメリカザリガニも2023年6月1日から「条件付特定外来生物」になり、野外への放出や有償での譲り渡しが禁止されています。
条件が付いていますが、ざっくりというなら、これは今まで飼っていた方は引き続きよしとするもの。
ただ、これからは新規では飼えなくなるのですなぁ。

最後に今度は法律は関係ないのですが、少し前のニュースで猫、まぁ人のそばで生活する猫(今では地域猫といいますかね)も外来種ではないかという話題がありました。
国内の猫の歴史は古く、最近の研究では弥生時代から猫は人と暮らしていたとされていますが、それは中国から渡ってきたものと考えられています。
つまりは、広い意味での外来種ですよね。

盲目的に「外来種=悪」と決めつけている方は、「猫も外来種だぁ」とぜひ愛猫家の方と闘っていきたい(←冗談です)。

今回は以上です。
一気書き&見直しをしていないので、乱文&誤字は申し訳ないです。

でわでわ~。

投稿種/管理人
※本記事の初公開は2024年4月30日です

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