【プロのリール修理士が教える】釣行後には流水で水洗いを【リールのメンテの基本】

簡単な調整は300円から
 仕事が波に乗ってよかったです。ピカさんのこれまでをお伺いしたところで、具体的に仕事の内容について教えていただきたいと思います。リールはどのようなものでも扱っているのですか?
「はい。発端が行き場のないリールの修理を……でしたので、私はメーカーも年式も問わないスタイルです。たとえどんなに古くても、特殊なもので対応するように心がけています。対応できないものも一部はありますが……」
 依頼はどのようなかたちで?
持ち込みと郵送などの送付があり、割合は3対7で送付のほうが多いです」
 持ち主がずっと大切に扱っていたリールもあるでしょうから、取り扱いが大変でしょうね……。
「はい。ですから、メンテナンスは可視化を意識しています。持ち込まれたリールはお客さんの前で作業を行いますし、送られてきた場合には必ずお客様に作業中の画像をお渡ししています。そうすることで『どこが悪かったのか』、『どの部品を交換したのか』を納得いただけます。メーカーさんの修理は作業の報告と請求書だけですから、現行品に関しては、そこで差別化を図っているのですよね(笑)」

アピアのベンチュラ2508R-Hのオーバーホールでの一コマ。ピカさんの仕事の様子はブログで確認することができます。

 すばらしい。それで気になる御代は……。
私自身が貧乏性のため、できるだけリーズナブルにしたいと思っています。簡単な調整なら300円~です。あとは基本的なオーバーホールについては、構造が簡単なリールなら1,500円程度で上限は7,500円です。修理については、リールの販売価格の50%を越えないことが目安で、1台あたり1万円を越えないように心がけています。ただ、送料や部品代は別途うけたまわり、高額なパーツの取り付けについては、その限りではありません」
 1万円を超えないのはうれしいですね。
「みんな、リールの修理に大金を使いたくはないでしょうから。ただ、あくまでもオーバーホールの上限が7,500円ということで、状態によって金額の変化はあるということはご了承ください。錆びや劣化で大変なことになっているリールもありまして、錆び落としや調整に手間取る場合は追加料金が発生します。それと、繰り返しになりますが、部品代は別途です」
 どのようなケースが多いのでしょうか?
「修理屋ですから、持ち込まれるのは、まともに動作しないリールがほとんどです。リールの一番の敵はサビです。パーツの多くは金属なので常にサビに侵される危険性があります。サビの原因は水分と塩分で、とくに怖いのがリールを水没させた場合です。ボディの内部にまで水が侵入します。淡水なら大ごとにならないのですが、海水の場合は水分が抜けても塩分は内部に留まり、その塩分がパーツをサビさせます」
 なるほど。でも、それなら別に水没させなくても海水がリールにかかることはありますし、リールはそれ用の構造をしているのでは?
「よくそう聞かれるのですが、水圧が問題なのですよね。リール自体には、ある程度の防水機能があります。ですから、かなりの海水がかかっても表面を流れるだけで内部にまで侵入の心配はあまりありません。ところが、水没は水圧が掛かるため、内部に水が浸入しやすくなります。それは水深や時間はあまり関係ありません。例えば、ナイロン袋に手を入れて水に浸けてください。わずか数センチでもナイロン袋は手に密着しますよね。それが水圧です」

サビたパーツ。シマノの05カルカッタ200を修理するピカさんのブログから。

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