【大洞川(埼玉県)】大手総合釣りサイトのレビューは本当に参考になるのか……を検証してみた【渓流第17弾】

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※2020年5月現在、日本政府から緊急事態宣言が発出されていて、不要不急の外出の自粛を要請されています。自分は徹底した安全運転でソロのバイク釣行を行うことがありますが、釣行を推奨しているわけではありません。本記事は事態がよい方向に収束したときのため、あるいは釣りに行けない間の時間つぶしになればと思い、記しています。釣り人の皆さまにおかれましても、くれぐれも新型コロナウイルス感染症の拡大の予防にご留意いただきますよう、よろしくお願いいたします。

埼玉県民の俺は、ここのところ、埼玉県内の渓流に行っとります。
んで、どこかよいフィールドはいねがぁ(←ナマハゲ風)と「渓流、埼玉」でググってみたところ、上位にヒットしたサイトがありました。
それは釣り雑誌『つり人』のWEB版の記事。記事名は「都心から3時間、ヒレピンのヤマメが泳ぐ渓流 埼玉県秩父市・大洞川」です。リンクはこちら

『つり人』、俺は好きな雑誌です。
俺がやっている渓流釣りを扱うことが多くて、気になる特集のときは購入することもあります。

ふむ、『つり人』さんが紹介しているなら、よい渓流に違いない。
俺は大洞川への釣行を決めたのでした。

『つり人』さんはれっきとしたメディアで、そちらが運営しているサイトは、もはや大手。
俺のような適当な釣り師でも大手メディアが参考になるのかの検証も兼ね、今シーズンの坊主記録のストップをかけて、いざ大洞川へ。

え~と、俺はバイクに乗るときにナビを使いません。
今回は「三峰神社のほうね」と、とてもざっくりした記憶をもとに向かいました。
ここで地図です。

秩父方面からなら、まず国道140号線を使うことになります。
んで、二瀬ダム(秩父湖)を左折で県道278号に。
ちな、ここの信号はすんごく待ちますよ。
一方通行の道を交互通行で、それを信号で管理していますから。

ここまではよいっす。迷うことはないでしょう。
んで、少し進むと三峰神社に向かう道と大洞川に沿って進む道の分岐があるのですが、俺はざっくりと「三峰神社のほうね」と覚えていたので、うっかり三峰神社方面に向かってしまいました。
三峰神社は2020年のゴールデンウィークは新型コロナウイルスの影響で参拝中止です。そのガランとした駐車場に到着して、ようやく「あれ、間違えた!?」と気がついたのです。
そのミスにより、結局、朝マズメをはずしてしまいました……トホホ。

さて、引き帰してからの道中の話を。
今回は『つり人』さんの検証も兼ねていきますからぁ。記事を引用しながらで。
※『つり人』さんの記事=「落石が見られるが、車高のある車でなくても難なく進めるレベルだ」
これがもうダウトですね。
大洞川の釣り場に到着するには県道278号を突き当たりまで進むことになるのですが、奥へ進むと、ボッコボコになっていきます。
例えばこんなふう……。

当日はおろか、前日も雨は降っていないのに、まるで川のような水が道を流れていました

まぁ、工事用のトラックも走っていたので危険ということはありません。それに俺のバイクはDトラッカーXというオフロード車もどきなので問題はありませんでした。
でも、これがSS(スーパースポーツ)とかなら、かなり嫌な凸凹道だと思いますよ。自動車の場合は、セダンでも大切に乗っている人は下を擦ることもありそうなので嫌なのではないですかね……。

そんな道を進みつつ、行き止まりに到着です。

隙あらばバイクで行ってやろうと思っていましたが、金属のポールがあってバイクも進入できません

大洞川の釣りができる場所までは、ここから歩いていくことになります。
それが大問題でした。
『つり人』さんのサイトには地図は載っているのですが、「どれくらい歩くのか」は書いていません。
俺は「歩いていくのよねぇ」くらいしか記憶していなくて、現地にいたバードウォッチングの方に聞いても「うん、釣り人はここから歩いていってるよ」という軽い答え。
それで「まぁ10分くらい歩けばよいだろ」と思っていたのですが……。

もう、正解からいいます。
『つり人』さんの地図をご覧あれ(←初めての方には、この地図が意外と重要かと)。
それによると荒沢谷付近からエントリーすることになっています。
そこまでゲートからは5~6km(!)です。
人間の徒歩は時速4~5kmですから、1時間以上も歩くことになります!

ウヘェ。
俺はあとになって、そのことを理解したのですが、地元の人、常連さんは歩きやすい格好をしています。ウェーダーの靴がセパレートタイプだったり……。あとは折り畳み自転車を持参している方もいました。
俺は普通の一体型のウェーダーです。
釣り終わったあとに話した常連さん(熊谷ナンバーの車だったので、以下は熊谷さんとします)いわく、「その格好だと厳しいべ」でした。
ちょ、ちょっと『つり人』さん、そこは強調しておいてください!

話を戻すと、到着後、間もなくの俺は「ちょっと歩いたところからエントリーするべ」と思っていて、なかなかよいエントリー場所がないので焦りました。
ここに来るまでに迷ったせいで朝マズメは過ぎていましたし……。
とにかく谷が深い。
ゲートから10分くらい歩くと、ようやくエントリーできそうな場所を発見。
建物があって、その脇に川へと続いていそうな道がありました。

ここから入ってみました。大洞川、はじめてだったんだもん

道はあれど急勾配の山道です。
おかしい……、『つり人』さんのサイトで見たのと様子が違う。
そうは思ったのですが、とりあえず川を見てみないことには……と進みました。

急勾配の山道を歩いていきました。ここらへんは安全でしたが……

ようやく川が見えてきたところで、別のものも目に入りました。
「立ち入り禁止!」。
看板があって、そう書かれていました。
どうやら、ここは発電所関連の施設で、その管理のために道があると。
俺は建物の敷地内には入りまいと逸れて進みました。
するとですね……、もうちょっとで川岸というところで道がなく(道は施設にいくためのものですからね)、目の前にはなかなかの急勾配の斜面が……。
すんごい慎重に進みましたが、最後はズルズルと滑るようなかたちに……。
服が切れたり、どこかケガをすることはなかったですが……。

降り立ってみると渓相はなかなか。

谷は深いけれど、下りるとよい川が待っています

ただ、まずズルズルと滑ったことに心が軽く折れ(渓流あるあるですよね)、「はたして、これは戻れるのか……」という不安が頭をよぎりで、ノリノリの状態ではなかったです。
とはいえ、なかなかの渓相に釣り人の血が騒いで釣りスタートです。

たまには違うアングルの写真を

…………。
今回も、またまたアタリもなかったっす。
もうね、今シーズン、ずっとそうなんす。

答え合わせとしては、あとで熊谷さんにお伺いしたところ、ここでも釣れないことはないそうで。
それどこから、ちょっと前は人気もあったそう。
ただ、あまり常連さんは入らないそうです。

そのときの俺は、「なかなか厳しいけれど、このままでは終われん」と場所移動を決意。
なんとかもとの林道に戻って(どうやって戻ったかはご想像にお任せしますが、同じような境遇に合う人のトラブルを避けるためのヒントとしては、結局、施設のハシゴを利用……ゲフゲフ)、先に進むことにしました。
途中、道の水溜りがあって、そこにヒキガエルが卵を産んでいました。
なんちゅう、光景やねん。

基本はアスファルトの道なので、やがては干上がってしまうような……。

やがて滝があり、そばに看板が。

ふむふむ、樽沢とな。

確か、樽沢って、『つり人』さんの地図にあったな……。
↑しっかりと記憶をしていなければ、ここであらためてスマホで調べることもなく……。俺は「川はつながっているだろう」というアバウトな感性の持ち主なんす。
ここならエントリーできそう。

軽くやってみましたが、ダメでしたね

ここまでアタリなし。
まだ10時くらいでしたが、もうね……、結構、俺の心は折れていました。
疲れた……。
先ほどの発電所近くのポイントの上り下り、そしてズルズル滑り、ここまでの徒歩……。

引き返すことにしました。
んで、そこでゲート付近で、出会ったのが、こちらの常連の熊谷さんです。

俺「全然、ダメでした。朝早くからやったのですが……」
熊谷「水温は計った? まだ水が冷たいから、必ずしもマヅメが釣れるとは限らないよ。んで、どこまで行ったの?」
俺「発電所の近くで竿を出して、あとは樽沢付近です」
熊谷「え~全然、手前じゃないですか。もっと先に行かないと」
俺「そ、そうなんすか!? どうりでヒレピンのヤマメに出会えないわけだ……」
熊谷「ん? ヤマメ? ヤマメも混じるけれど、どちらかというと、ここはイワナだよ」

※『つり人』さんの記事=「ヤマメがメインですが、増水後など水が動いたタイミングで入るとイワナも混じります」
これもダウトですね。確かに、この記事ではヤマメを釣っていますが、秩父って、どちらかというとイワナのほうが多いようですよ。
これは状況にもよるので記事が間違いというわけではないっすけど……。

俺「ここは釣れるのですか?」
熊谷「腕があるなら釣れますよ。自分はこないだはイワナを5尾ほど出しました。樽沢より、もっと奥に行くとエントリーしやすくなるので、はじめてなら案内しますよ。これから一緒にいきます?」
優しい方でした。
ただ、このときは俺は「パトラッシュ、疲れたろう。僕も疲れたんだ。なんだか、とても眠いんだ」状態だったので、ご遠慮させていただきました。
今、思うと、もったいなかったですね。
熊谷さんといけば、たとえ俺はダメでも、熊谷さんは釣っていたと思います。

ところで……です。
※『つり人』さんの記事=まったくの素人では危険ですが、渓流釣り経験者なら特に難所と感じるところはないでしょう。
とありますが、これもちょっと……。どれくらいのレベルを対象としてるのですかね。
熊谷さんも「確かに開けるけれど、場所を知らないと、エントリーするのはちょっと大変かも」といっていましたし、何より、そこまで1時間も歩いている時点で俺のようなヘタレ向けではないですよね。

ここらで大洞川のまとめです。
まず、入門者にはほぼおすすめできないです。
とにかく歩くので、訪れる際には歩きやすい渓流釣りの格好がよかです。
沢歩きが好きという人にピッタリだと思いますが、沢歩きといっても林道を歩くことになるので、そこはあらかじめ覚悟を。

あとは、とくに休日は釣り人が多いようです。
ゲート付近に自動車を駐車できますが、それが近くを含めて6台分くらいかな……。満車になることもあるそうっす。
一方、混雑を避けて平日とかに行くと、今度はちょっと何かあったときの安全面が気になります。
谷が深いですから。

あと、エサは熊谷さんいわく「カワムシがよいんじゃない」とのこと。
基本、こちらは天然ものですから、カワムシ有利でしょうね。

そして、今回のテーマの「大手総合釣りサイトのレビューは本当に参考になるか」については、そもそも大洞川を知ったのは『つり人』さんのサイトですし、もちろん、参考になることは多々あります。
ただ、繰り返しになりますが、ポイントまでの苦労など、あまり触れていない部分があって、ちょっと不親切な面もあるなと。

結局、レビューなんてものは、映画でも音楽でもそうですが、感性やレベルが自分に合う人のが、いちばん参考になるのですよね。
本サイトがそうなれれば、これほど嬉しいことはありません。

それはそうと、大洞川は秩父漁協の管轄で日釣券は1,800円ですね。
現地に近いコンビニで買うがよかです。
そして、俺の大洞川の評価は100点満点で30点。
人を選ぶ川という印象です。
天然のイワナに出会えるのは大きな魅力ですし、大洞川本来の好ポイントまで行っていないので正しい評価ではないことは自覚していますが、俺は竿を出すまでに1時間歩くのはちょっと……ですね。
空気はうまいっすよ。

さて、ウェーダーを脱いで、大洞川を出発したのは午前11時くらい。
移動して、他の川で竿を出せる時間帯でした。
「帰りがけに違う川にでも寄るかな」と思って走っていたところ、道の駅「大滝温泉」付近で国道を歩いている人を発見。
思わずバイクを停めて「ここらへんで釣れるのですか?」と聞いてしまいました。
ここらへんなら荒川っすね。
「沢に入れば釣れますよ。これから自分が入りますが……。他に近くで釣れる川ですか……? それなら大血川はどうでしょう?」
大血川……。
俺はその言葉を信じて、大血川に行くことにしました。
そして、そこでついに……。
次回に続きます(←情報は小出しにしていくタイプ)

でわでわ~。

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