【バイク】地理的に見どころがあるツーリングポイント5選【地理ライダーさん】

「趣味人に聞くバイク編」は本サイトの人気コーナーです。バイクライフを楽しむ方のお話を紹介する企画で、今回、ご登場いただくのは地理ライダーさんです。
地理ライダー……。
かなり個性的な御名前ですよね。
地理ライダーさんは九州大学・文学部（地理学専攻）卒で（地理学って文学部なんすなぁ）、YouTubeのプロフィール欄には「九州を中心に日本全国をツーリングしながら、地形についてベラベラ喋ります」とあります。
うん、やっぱり個性的！
これはいろいろ伺いたいっ！
ということで、今回は地理的に見どころがあるおすすめツーリングポイントを五つ、ご紹介いただきました。
素敵な原稿を寄稿いただいたので、ほぼ原文でお届けします。

コロナウイルスの流行で動画撮影・編集を開始～これまでのバイクライフ～
地形地質というマニアックな観点で選出～おすすめツーリングポイント5選～
景色から出てくる「なぜ？」はいっぱいある～読者の皆様へ～

コロナウイルスの流行で動画撮影・編集を開始～これまでのバイクライフ～

ご紹介にあずかりました、地理ライダーと申します。
今はほぼ毎週バイクで地形を見に出かけていますが、まずはバイクに乗り始めたきっかけからお話ししたいと思います。

大学へバスで通うのがあまりにも不便で、通学手段として2010年10月からバイクに乗り始めました。
当時乗っていたのはヤマハのYBR125です。
原付二種で高速道路にも乗れないので、あまり遠出はしていませんでした。
大学の近所の海沿いを走って、ラーメンを食べて帰るぐらいでしたね。

YAMAHA YBR125（2010年〜2014年）　納車直後、自宅の駐輪場にて（こんな写真しか残っていません😂）

2014年の大学卒業と同時にYBR125は売って手放しました。
バイクを売却した直後に酔っ払って背骨を折りました。
破裂骨折といって、後遺障害が残る可能性もありましたが、幸い手術が上手くいって後遺症は残りませんでした。
ただし治療中は背骨が固定されている状態で、バイクには乗れなくなってしまいました。

固定手術後に見て、「こんなのを入れられたんかい！」と衝撃を受けたレントゲン写真（現物）。巨大なネジで固定されてしまいました。バイクに乗るどころではなくなった😭

治療中はどこにも行けず、ストレスが溜まっていましたね（笑）
またバイクに乗りたいなあという気持ちが積もり重なっていき、2年経って2016年、ようやく骨折が完治したタイミングで、すぐにヤマハのYZF-R3を買いました。

YAMAHA YZF-R3（2016年〜2021年）　北海道　オロロンラインにて

そこから毎週のように、絶景を求めてツーリングに行くようになりました。
2020年までの4年間は、動画は撮らず自分一人で楽しんでいました。
コロナウイルスの流行で暇になり、動画撮影・編集をやってみようかと思って、2020年から動画投稿を始めました。

動画投稿を始めてからは遠出することも増えて、320ccで高速道路に乗るのはきついので
2021年に大型バイクのAprilia RS660に乗り換えて今に至ります。

Aprilia RS660（2021年〜）　隠岐諸島　西ノ島にて

地形地質というマニアックな観点で選出～おすすめツーリングポイント5選～

地形地質というマニアックな観点から、おすすめのツーリングポイントをご紹介します。

①道東（北海道）
火山によってできる地形がいろいろあって、どこに行っても感動できます。道も空いていて、北海道の醍醐味を楽しめます。

知床五湖は、奥の火山が崩壊してきてできた凹凸地形にできた小さな池です。微妙な地形の凸凹を見ながら散策すると楽しいかと

根室の車石は噴出したドーム状の溶岩が冷えて固まってできたものです。周りから冷やされて放射状の柱状節理ができています。溶岩の流れと冷え固まる様子を想像しながらご覧あれ

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②奥入瀬渓流・十和田湖・八幡平（青森県・岩手県・秋田県）
適度なワインディングと火山地形を楽しめます。

奥入瀬渓流はカルデラ湖・十和田湖の外輪山の一部が崩れ、一気に水が流れ出てできたU字型の渓流です。おすすめは平坦な谷底に注目しながら走ること。ゆったりツーリングできます

八幡平は、たくさんの火山が噴火を繰り返してできた高原地帯です。
　大量の溶岩・火砕流がほんの数十万年前に流れてきたばかりなので、侵食をほとんど受けておらず、なだらかな地形のワインディングが楽しめます

このゴールデンウィーク（2024年）に行ってきたばかりなので、これから動画公開します。6月7日公開予定です。

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③伊豆半島（静岡県）
伊豆半島は日本列島で唯一「フィリピン海プレート」の上に乗っかった陸地です。フィリピン海プレートの上に火山活動と地殻変動で島ができ、プレートの移動で日本列島に衝突して半島になりました。とんでもない場所です。

一色の枕状溶岩です。伊豆半島がまだ海底だった頃、水中で溶岩が流れて固まった痕跡です。伊豆半島で最も古い地質が見られます

堂ヶ島は、火山灰が固まってできた凝灰岩の海岸です。白くてなめらかな火山灰が独特の景色を見せてくれます

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④大鹿村の中央構造線（長野県）
中央構造線は、日本列島を東西に貫く巨大な断層です。約1億4千万年前から、プレートの活動によってズレ動いてできたものです。
大鹿村では中央構造線沿いの谷がはっきりと分かり、険しい山に挟まれながらツーリングができます。

天竜川水系の青木川です。これが中央構造線に沿った谷です。全部舗装はされているのでご安心して走れる、冒険感あふれる道です

大鹿村の中心集落にある小渋橋です。手前が中央構造線で、奥には日本で最も険しい赤石山脈が見えます。雄大な景色に圧倒されます

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⑤大崩山（大分県）
1400万年前に形成されたカルデラの地下部分が、侵食されて露出しています。激しい侵食を受けたカルデラ内部を走る険しい道が魅力的です。

大崩山のカルデラです。古いカルデラの流紋岩が侵食されて出てきています。カルデラの中の細い道を進んでいくと鹿川渓谷という秘境に行けます

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景色から出てくる「なぜ？」はいっぱいある～読者の皆様へ～

今後は、あまり行けていない北陸・北関東・東北を回りたいと思っています。

地形・地質を気にしながら走るだけで、ツーリング・旅行は何倍も楽しくなります。
この山はどうやってできたのか？　この岩石は何なのか？　景色から出てくる「なぜ？」がいっぱいあります。
皆さんにもぜひ、地形巡りツーリングを実践していただきたい。

※管理人の編集後記↓
地理ライダーさん、ていねいにありがとうございます。
俺は地理・地学については本職で書籍（京都大学名誉教授・鎌田浩毅先生の講演をまとめたもの）の編集を少し手伝ったことがあるのですが、それで自然、いや世界の見方が変化しました。
まず、スケールが違いますし、事実を知って点と点がつながる感覚が楽しいのですよね。
ぜひ、人の営みの歴史もそうですが、地理・地学を意識するとツーリングがさらに楽しくなると思います。
俺もこれからもっと意識してみよっと♪

【趣味人のプロフィール】
地理ライダー

1991年兵庫県生まれ、福岡県育ち。九州大学文学部（地理学専攻）卒。「九州を中心に日本全国をツーリングしながら、地形についてベラベラ喋ります。受信料を払わなくても安心・ジェネリックブラタモリです（笑）」
→You Tubeチャンネルはこちら
最近食べた美味しいもの／
「北海道壮瞥町の蟠渓（ばんけい）温泉・湯人家（ゆのとや）で食べたジンギスカンです😋　これは美味しすぎです。洞爺湖周辺に行く際はぜひお立ち寄りを」